ウーマンリブVol.7『熊沢パンキース03』

19:00 本多劇場
作・演出:宮藤官九郎
松尾スズキ 阿部サダヲ 宮崎吐夢 佐藤隆太 皆川猿時 荒川良々 少路勇介 田辺誠一 宮藤官九郎

超激戦のチケットだっただけに見られただけで一仕事終わった気分だ.
ウーマンリブは映像で見る限りはテンション高すぎて疲れるイメージがあったけど、実際に生で見ると大丈夫だった.
最初のカメの島での女装からぐぐっと芝居に引き込まれ、その後はあっという間にエンディング.ワーワー騒ぎながらも結構入り組んだ設定が出てくるので、ぼーっとしてたら置いていかれそうで実はかなり集中力を要求される芝居だった.それとももうあのテンポについていけなくなっただけか?
それにしても役者が濃い!普通の芝居なら松尾スズキ、サダヲちゃんだけで既に飽和状態なのに、更にそこに宮崎吐夢皆川猿時荒川良々ときたらもう、濃いのに濃いのが重なって舞台上がすごいことになってた.これが大人計画系の芝居の魅力なのかしら.『人間失格』あたりだと中和する役者がいっぱい出てたからそれほど濃さは感じなかったけど、さすがにこの人数でこの小屋でとなると濃さ全開だった.
そんな中で田辺誠一の起用は大正解だと思う.一人だけ普通オーラを放ってて客の代弁者の役割をうまく果たしてた.もっとも田辺さん自身は実は全然普通じゃなくて、逆のベクトルでのマイペースさがにじみ出てたけど、そのくらいじゃないとあの濃さには太刀打ちできないでしょう.
ほんの少ししか出番のない宮藤官九郎が、出てくると一気に客の視線をさらってたのはずるよいなあ.


【過去日記より】
妹と渋谷で待ち合わせをし『熊沢パンキース』@本多劇場を見る.ロビーでぼんやりお寿司を食べてたらいのうえひでのり氏発見.劇場で遭遇するのこれで何度目だ? 始まって間もないからかむせるほどの花の匂いがロビーに漂っていた.帰り際に花を順々に見る.一際豪華だったのは誰からだった?>妹.西村雅彦から役者3人にそれぞれ届いてた3つの花もそれぞれ趣が違ってて良かった.開演前に『ぼくの魔法使い』の脚本(クドカンサイン付き)とクドカンのエッセーを買ってしまった.いつ読むんだ.
最後列にてまったり観劇.通路にびっしりと座った補助席にお茶の間感覚の人がいてあちゃーって思ったけど、最初のうちだけだったのでよかった.最近思うに若い女の子とおばさんにお茶の間感覚観劇系の人が多い.そして若い子のほうが声が高くて早口な分迷惑度が高い.芝居の最中は静かにしてるってのはそんなに難しいことか.


松尾脚本の芝居はガツンと来るけどクドカン脚本の芝居は映像で見る限り果てしなく疲れるものだった.どちらかというと苦手意識があったけどそれは映像で見ちゃってるからで劇場で見たらまた違うのかと期待して行った.相変わらずのハチャメチャ&グダグダ芝居だったけど田辺誠一が予想外にいい緩衝材になっていて、おかげで思いのほか見やすかった.


それにしても松尾さんは卑怯な役者だ.さらってたもんなあ.皆川さんの高校生もかなり強烈.あれはすごい.荒川良々の女装は意図に反して笑えない.だって可愛いし.サダヲちゃんは笑いの勘がいいのかなあ.絶妙な間と切り替えで笑わしてくれる.


なんにせよ役者個々のコメントしか出来ない芝居だね.2週間後にもう一度見る時にはどうなってるんだろう.