角川文庫ビギナーズクラシックシリーズ『平家物語』

原文に当たるのは私の古文知識ではほぼ不可能なので、有名どころだけ原文付、それ以外は簡単な現代語訳になっているこのシリーズは大変ありがたい.
実際のところどのくらい簡略化されているのかわからないけど、歌舞伎でのお馴染みさん達があちこちに登場して、なかなかおもしろい.敦盛とか実盛とかさ、後世の扱いからしてもっと大きく取り上げられてるのかと思いきやちょっとした挿話程度にしか登場しない.俊寛も歌舞伎のとはぜんぜん別人だし、「物語」としての人物像との比較がおもしろかった.
学生時代に日本の古典や武士の社会にまったく興味がなかったのが今となってはもったいない.超有名な冒頭部分や那須与一の話を古文の時間にやったのは覚えてるけど、それ以外にも今回ぼんやりと聞き覚えのある話があった.当時はちゃんと原文で読んだってことよね.真剣に勉強しておけばよかったなあ.