あけましてラストサムライ

ラスト サムライ 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

ラスト サムライ 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

あけましておめでとうございます。
ちょっとがんばって早起きしたので、午前中から『ラストサムライ』を妹と見に行ってみた.トム・クルーズ嫌い&幕末興味なしの私がなぜ見ようと思ったか、それはひとえに渡辺謙が見たいからです.思えば和泉元彌の大河を見たのも渡辺謙が出てたから.ま、彼が死んだところでしっかり見るのはやめましたけどね.

やー、思いのほかまっとうに良い映画じゃないですか.もっとミラクルワールドJAPON(なぜかフランス語っぽいイメージ)が炸裂してるのかと思った.ハリウッド大作はあなどれないからさー.確かに突っ込みどころはいろいろあれど、日本人から見てそこに描かれてる日本人感ってのにそんなに違和感感じなかった.雪解けまで閉ざされるってどんな秘境だよ、とか、明らかに日本の風景ではないなだらかな丘陵地帯の山村とか、道端に灯篭かよ!とか、どこのSWAT部隊だよっていう忍者の一群とか、究極的にはあの銃弾のなかなぜトム・クルーズだけ死なんのだ?とか、そりゃ言い始めればきりがないけど、私にとっちゃそんなことは瑣末な問題で片付けられちゃうのだ.敵であるはずのトムに対する尊敬をもった対応や、戦いに生涯をかける武将が最後まで気にかけるのが辞世の句や桜の美しさであることや、日本人の美に対する繊細な感覚ってのをないがしろにしていない映画だった.確かに古い日本の風景とは言いがたいものではあったけど、風の音、雨の音、桜吹雪の音といった自然の中にある音が印象に残る映像美も良かった.冷静に見れば、明らかに大村の言ってることにも一理あるし、あの時代に勝元がやったことの意味のほうが疑問だったりするんだけど、そういう歴史の流れは無視していい映画なんじゃないかなあ.そうじゃなくて普通に勝元ヒーロー物として見ちゃえばいいんじゃないですかね.
それにしてもこれでトム・クルーズが日本好きじゃなかったら全然説得力のない映画だ.つーか、普通に好きじゃなきゃこんな映画でないよね.聞こえてくる言葉の半分以上日本語じゃなかったか?まあ、同じものを日本で作ってもあんなに予算ないだろうし、第一ヒットしそうにないから、ハリウッドでやってくれて良かったんじゃん.