トム・プロジュエクト『掃除屋』 

THEATER/TOPS
作・演出:水谷龍二
柳家花緑 山田花子 坂本あきら 小松和重 大出勉 佐藤二朗

いやはや、いつもと客層が違うぞ.年齢層が思い切り高い.歌舞伎座の客が間違って来ちゃってるのかと思った.トップスでもこういう客層になることがあるんだって、そこに一番驚いたよ.小松さんが出るという、ただそれだけのためにチケットを取った芝居.ま、いつもの私なら花子ちゃんと花緑さんの笑顔がはじけたあのチラシでチケット取る気になることはないわな.

芝居のほうも客層にあわせたような人情芝居.悪くはないんだけど私が勝手にイメージする商業演劇系の笑いに時々ついていけなかった.ああいう「下町っぽい親父さん」キャラが苦手なんだよなー.自分の父親があんなだったらってのが先にたっちゃって、やんちゃなおじさんの可愛げとか感じる間もないっていうか.結婚相手の家にいってああいう父親が出てきたら、絶対考え直すね.苦労するの目に見えてるもん.

小松さんはいつもと違うやさぐれた役だったけど、どこか人の良さが滲みてて、一人でキュウリ切ってる姿がなにやら可愛らしかった.

山田花子ちゃん、別に嫌いじゃないけど女優として舞台に立つのはどうなんだろう.やっぱもう少し「演技」してほしいっす.彼女が喋り始めるとふと芝居の世界から現実に戻されるんだもん.他の役者とのトーンがまったくあっていないのは、あれはあれで演出家の狙いどおりだったりするんだろうか.