橋本治『双調平家物語 栄花の巻 2』

今回は天智天皇から平城京が出来るまでのお話.前作が男性の政治画策だとすれば、今回は政治の世界に身を置いた女性たちの様々な生き方にスポットを当てたものだった.政治の世界では男たちのあれこれを読んでたほうがおもしろいと思うのは自分が女だからだろうか.橋本さんの女性観もあるのだろうが、政権争いの中で、男は世代を超えた「一族」を考え、女は自分の愛する夫、息子という直接関係する男たちを考えるあたりが身につまされる.