『新選組日記』

新選組日記 (PHP新書)

新選組日記 (PHP新書)

永倉『浪士文久報国記事』の『島田魁日記』の2つが収録されたおいしい1冊.原文と現代語訳が上下段に分かれて載っているので大変読みやすい.個人的には永倉の日記より島田の日記の方がおもしろく読めた.島田の方が鳥羽伏見以降、函館五稜郭まできっちり書いてあるからというのが大きい.この当時、日記というものがどういう定義だったのかわからないけど、多分個人的な書きとめというよりは人に読まれるために書いてるんじゃないかと思われる.だからなのか、事実の説明が大半でその時自分がどう思ったかといった個人的な感情の部分が今で言う日記に比べると非常に少ないのがなかなかもどかしい.私なんかからすれば、事実部分ももちろん大切だけど、渦中にいた人物が何を思ったのかっていうのが一番知りたいことだったりするからさ.近藤の処刑の時、土方が死んだ時、この2人は何を思ったんだろうなあ.