髑髏城の七人@新国立劇場 

作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太 水野美紀 佐藤仁美 坂井真紀 橋本じゅん 右近健一
河野まさと インディ高橋 山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル
杉本恵美 中谷さとみ 保坂エマ 川原正嗣 前田悟 横山一敏
佐藤正宏 山本亨 梶原善

赤髑髏東京初日.新感線お初のSさんが楽しんでくれるかどうかはもちろん、97年版が生では見ていないものの映像で見ても素晴らしかったので自分自身も楽しめるかどうか珍しく不安を抱いての観劇となった.チケットには9列目と表示してあったものの、いざ席についてみたら4列目とやけに舞台が近い.新感線舞台は立ち回りが多いし凝った照明を入れてくるから出来れば俯瞰できる場所で見たかった.しかも今回は新国立のあの奥行きだもん.近すぎて遠くが見切れてしまう〜.


1幕目終了時点では「こりゃどうかなあ……」って不安的中、が、2幕目は1幕目の不安を吹き飛ばす出来で満足できました.


感想箇条書き

  • なんといっても梶原善.ブラボー!今までいろんな人がやってきた抜刀斎キャラを全然違う風味で演じていた.しかもそれがおもしろい.新感線メソッドな演技をしているのにどっか違って見えるのがさすが.良かった〜!
  • 最後のオチ(?)がわかりやすくなってた.前はなんで捨之助の首の変わりに本物の天魔王の首を差し出したことが家康を騙したことになるのかがわからなかったから.
  • 歌や踊りを殺ぎ落としたシンプルな作りで少し物足りない.おかげでストーリーそのものはサクサク進んでわかりやすくはなってたが、その分展開が早過ぎるようにも思えて余韻に浸る間がなかった.
  • 衣装は前の方が良かった.特に極楽太夫の色街での衣装がしょぼい.白の迷彩服は可愛かったのに残念だわ.捨之助はカツラが変すぎてそこにばかり気を取られてしまった.以前のあれじゃダメだったのかしら.
  • 客演女優陣は1幕目より2幕目のほうが断然良かった.坂井真紀の極楽太夫@2幕は高田さんの姉御っぽさとは別の可愛さがあったし、水野美紀は綺麗でクールな蘭丸だった.佐藤仁美はスサノオの時の方が目立ってよかったな.みっちょんの狭霧はやけに印象に残ったけど今回狭霧は脇役っぽい扱いに思えてしまった.なんでだろう.
  • じゅんさんはいつも最高.今回も仲間がやられたシーンで思わず涙ぐんでしまった.

全体的に台詞が聞き取りづらかった.マイクのせいか会場のせいか誰の声も小さくて集中してないと聞き逃してしまいそう.

  • 生き生きとして見えた山本亮、新感線カラーにはまってた.いちいちベートーベンがかかるのがおかしい.
  • あ、古田さんの感想がない.カツラがなあ…(しつこいか).初日のせいなのかやけに噛んでたのが気になった.立ち回りも忍法帖のほうがかっこよかったような.厚生年金では後ろのほうから見れるのでその時に期待しよう.


今(これを書いてる5月11日の時点で)思い出すと苦言の方が多くなってしまうのが不思議だけど、見終わった時はちゃんと「2004年古田版もいいじゃん!」って素直に感動してた.


さて、心配してたSさんは休憩時間にパンフを買ってしまうほど楽しんでくれたので良かった良かった.