レ・ミゼラブル イン コンサート@東京芸術劇場中ホール


ジャン・バルジャン 別所哲也
ジャベール     岡幸二郎
コゼット      剱持たまき
マリウス      津田英佑
エポニーヌ     坂本真綾
テナルディエ    駒田一
テナルディエの妻  峰さを理
ファンテーヌ    井料留美
アンジョルラス   坂本健児
コゼット(子)   平塚あみ
ガブローシュ    局田奈都子

グランテール:伊藤俊彦
クールフェラック:横田大明
ジョリ:坂口勝 赤間清人
コンプフェール:上條コウ
フイイ:角川裕明 篠原功
レーグル:林アキラ
バベ:若泉亮 村田きわむ
ブリジョン:鈴木良一
プルベール:清水拓蔵 水越友紀
モンパルナス:岡田雄一
ラクスー:大江尚毅
買入屋:浜崎真美
マテロット:浦壁多恵
ファクトリーガール:鈴木智香子 高橋真紀子
ジベロット:水谷祐紀
マダム:井上珠美
少年1:楠見朋子 澤田蘒子 村井麻友美
少年2:井上喜代子 高山京子
かつら屋:亜久里夏代

コンサート形式とはいえ久々のレミゼを堪能してきました.右端とはいえ4列目だったので役者の表情もばっちり.斜め前が視界に入る中の唯一の男性でセンターが見切れるという相変わらずの座席運の悪さに泣きそうになったものの、センター以外で歌われることも多くてなんとか耐えることができた.


公演イメージはほぼ10周年記念コンサートと同じ.ステージ上にマイクが並び、後ろに座っている役者は自分の出番がきたらそのマイクの前まで行って歌うという形式.衣装はちゃんとそのシーンごとに着替えてたし、ちょっとした演技はありなので、レミゼを見たことある人なら余裕で場面を脳内再現できる.歌がメインで所々の細かい芝居がすっとばされていたから、ただでさえはしょり気味であらすじ知らないと取り残されそうなレミゼなだけに初見の人はついていくのが大変そう.後ろのスクリーンに説明文が表示されいて一応のガイドにはなっていた.スクリーンには舞台の様子や歌ってる役者がたまーに映る.どうせならずっと映してもよさそうだけど、そうすると歌の邪魔になるかな.


隣の女の子が最初から泣いてた(!)こともあり、1幕目は久しぶりに聞くレミゼの音楽に感動して泣きそうになった.そんな私の感動を止めてくれた(止めてしまった?)のが井料ファンテと津田マリウス.やっぱり苦手だ.


別所さんの歌を聴いていると舞台が見たくなった.別所さんはやはり演技したほうが相乗効果で良く見えると思う.もちろん歌だけでも十分演技されてたけど、どうしてもマイクに向かって歌わなくちゃいけない制限がはがゆく思えてしまった.コゼットの方を優しく見ながら歌いたいのに、いちいちマイクに向かわなくちゃいけないとかね、そういう目線とかの演技の制約が実にもったいなかった.


岡さんのジャベールは相変わらず麗しくかっこよい.ちょうど月曜にいいともに出てたけど、やっぱこの人は舞台で見てなんぼのものだ.すらっとした長身にジャベールのロングコートが似合いすぎ.かっこいー.Starsも良かったけど、自殺のロングトーンが凄かった.いつまで声が続くんだ.本公演ではあれだけのロングトーンはやってなかったと思う.ごろごろ転がらなくちゃいけないからか?こういうのはコンサートならではって感じがしていいね.復活のアンジョルラスの評判がめちゃくちゃ良かったので大阪で見るのが今から楽しみ.これぞアンジョというアンジョを見せてほしい.


別所さんと岡さんの組み合わせは本公演の時から大好き.今回も人間味溢れる別所バルジャンと岡さんの孤高の冷徹ジャベールと相性はばっちり.


井料さんのファンテはやっぱり苦手だ.しかも今回ステージ近かったせいで表情がばっちり見えてなおのこと怖かった.声と歌い方と表情とトリプルパンチで苦手.「夢破れて」も歌に引き込まれる前にそっちのほうが気になって気になって.


ひっさしぶりの復活津田マリウス.当時から苦手だったけどやっぱこの人も苦手だ.顔が一段を濃くなっててどこの時代劇役者かと思ってしまった.いまにも流し目しそうなマリウスなんてやだ.多分いい声の部類ではあるんだろうけど、好みのタイプではない.ああ、岡田マリウスが聞きたい.岡田マリウスのために地方公演狙おうかしら.


坂本エポはあともう少し声量があればなあ.『恵みの雨』が良かった.剱持コゼットも本公演から問題なしの出来.


テナルディエの駒田さん、最高!舞台の上の役者や指揮者をいじったり客席駆け回ってみたりと盛り上げてくれました.宿屋のシーンと下水道のシーン、同じ人物でも巧みに狡猾さを演じ分けてるあたりもさすがだ.今回のこのキャスティングは大成功.


峰さんは本公演の時は苦手だったのに今回は活き活きとテナルディエの妻を演じてて駒田さんといいペアになってた.何よりご本人がとっても楽しそうなのが良かった.


坂本アンジョ、うーん、今や私の心は岡アンジョへと飛んでいるのであまり印象にない.本公演の時も思ったけど坂本アンジョの低い声は好き.『民衆の歌』の歌い出しの声とかうっとりする.が、張り上げる時の金属的な声が苦手.ずーっと低音時のソフトな歌い方はできないものか.


アンサンブルはどうなんだろう.よくわかりません.博多座後半組より今回の方が好きかな.特に黒のスーツにタイしてる人(うわー、名前がわからんな.)が博多座の人に比べて上手かったからフラストレーション無し.グランテールは阿部さんの方が好きだ.阿部さんはジャベに昇格したからグランテールはもうやらないのかしら.


本公演の時はいつも最後のエピローグ〜『民衆の歌』でグワッと揺さぶられて大変なことになるけど、今回は『民衆の歌』にジャベールやテナルディエ夫妻が混じっているのを見てなんだか嬉しくなってきてしまい笑顔で聴くことができた.


カーテンコールはいつものように出演者のお茶目な一面を見ることが出来た.別所さんは塩田さんの指揮棒奪い取って指揮しようとして失敗.あ、そうそう塩田さんはいつものようにはじけきった指揮で、宴会乞食のシーンでは一緒になって踊ってた.岡さんもジャベールの時とは別人のようにニコヤカに腰振りながらのお手振り状態.客席も最後はスタンディングオベ―ションでした.


ここ最近のレミゼは客の反応が比較的シビアでおもしろい.素晴らしいと思った歌にはなかなか鳴り止まないほどの大拍手だけど、いまいちな歌には露骨なほど拍手が少ない.「よく頑張ったでしょう」拍手じゃなくて結果のみへの拍手なところがいいと思う.今日の公演では駒田さんと岡さんへの反応が良かった.


やっぱりレミゼはいいね〜.大好き.通年で上演してくれないかなあ.ふらっと会社帰りに見にいけたりしたら最高なのに.


早速地方公演のキャストスケジュールを確認しちゃった.12月4日千葉の昼公演と12月18日名古屋の昼公演がいいなあ.千葉はチケット狙ってみようかな.