トロイ(2004年アメリカ)
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2004/10/29
- メディア: DVD
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【監督】 ウォルフガング・ペーターゼン 【キャスト】 アキレス●ブラッド・ピット ヘクトル●エリック・バナ パリス●オーランド・ブルーム ヘレン●ダイアン・クルーガー アガメムノン●ブライアン・コックス オデッセウス●ショーン・ビーン メネラオス●ブレンダン・グリーソン プリアモス●ピーター・オトゥール プリセウス●ローズ・バーン アンドロマケ●サフロン・バロウズ テティス●ジュリー・クリスティー
ayaちゃんと見に行ってみた.
おかしい、絶対おかしい.なんでブラット・ピットがかっこよく見えるんだ.おかしすぎる.全然まったく期待してなかったのにブラピのアキレウス、すごいかっこいいじゃん.やられた.
でもって、ヘクトルのエリック・バナもかっこいい.知的なオデュッセウスも素敵.アキレウスの腹心の部下もよかった.見るまではこんなにかっこいい男たちが次々出てくるとは思ってなかったから驚いた.
そしてオーランド・ブルームのパリスはわかっちゃいたけど、もう手の施しようのないダメ男.あまりのダメっぷりに腹が立つどころか笑えてきた.何かやるたびにことごとく吉凶をもたらす最悪の男なんだもん.こちらの想像の上を行くダメっぷりにパリスってこういう男だったんだろうなあ、そりゃトロイも滅ぶよなあって納得しちゃったよ.
それに比べて兄ちゃんのヘクトルはもう非の打ちどころがなくてね.頭がよく情勢を読み取る判断力もありながら父親をたてる道徳心をあわせもっていたがために、自分の身に不幸を呼び寄せてしまったのね.妻や子を愛し、弟を愛し、父を愛し、国を愛し、一人戦いに向かう勇気を持ち、そんな素晴らしい男だったのだ.そりゃ惚れるでしょ.ヘクトルといえばアキレウスのライバルで殺された人くらいの印象しかなかったもん.トロイ側から見れば英雄なんだからこのくらいに描かれて当然か.
一方アキレウス、こちらはまったくの一匹狼.アガメムノンの元で戦いながらアガメムノンを心底軽蔑しているそういうひねくれた暗さがいかにも孤高のヒーロー然としていてほっとけない.荒々しい戦士なのかと思いきやトロイの巫女への思わぬ純愛っぷりなんかも見せちゃって、憎いよこのっ!
そんな2人が一対一の戦いをするあたりとか、辛くて泣けてきた.男の人って死ぬってわかってるのになんで戦いをするんだろうねえ.そういう姿がかっこいいもんだから始末が悪い.死を賭して戦う姿がなんとも切なくて、泣けるっ!
それまでのトロイとギリシアの戦いの様子が、古代の伝説風な味付けではなく全く現代とリンクするリアルな様子で描かれていて、いい加減ばたばたと虫けらのように一瞬にして死んでいく兵士達に胸が痛くなってたところに、この2人の戦いなんだもん.もういいじゃん、やめようよって辛くなっちゃった.
パリスとヘレンを筆頭に男女の恋愛模様も織り込まれているものの、やっぱり戦う男同士の絆みたいなもののほうがズシンとくるものがあった.女性ではアキレウスに愛される巫女のプリセウスが可愛かった.
映画では女性達やパリスは隠し通路を通って逃げ延びたことになってたけど、ギリシア神話ではどうなるんだっけ?あ、ギリシア神話じゃなくてイリアスでの扱いか.『グリークス』では確かアンドロマケはネメラウスあたりの奴隷になってなかったか?ヘレンは神々の元で奔放な暮らしを続けてたような…最後は夫の元に戻ったのか?気になるからいつか(いつだ?)調べてみよう.
予想外に満足できる映画でした.