PARCOプロデュース『鈍獣』@PARCO劇場

【脚本】宮藤官九郎 【演出】河原雅彦
【出演】古田新太 生瀬勝久 池田成志 西田尚美 乙葉 野波麻帆

劇場入ってまず一番に目の中に飛び込んでくるのがノリノリの脚本家と演出家の写真ってのはいかがなものか.ビジュアル的にはこの2人の方が全然派手なのが笑える.


えー、クドカン脚本ということで不安はあったんですが(舞台のクドカン作品はあまり得意ではないので)、思ったより普通にまとまってたことに逆に驚いた.ノリは大人計画というよりはウーマンリブ寄りだというのに.やってる役者があの3人だからかやけにまとまった作品に見えた.だってさあ、あの3人そろえたらどんな芝居だってそれなりのものに見えるでしょ.あと意外なほど女性陣が良かった.誰一人期待してなかったのに、あの癖ありまくりの男優陣にあそこまで絡んでいけたら大合格なんじゃないか.


ホラーだっていうから構えてたけど、あら、最後まで割りと笑えてしまった.すっごい遠い席だったかしら.ゾクゾクするような怖さってのはなかった.オチが見えすぎてたからなー.それよりも凸やん.成志さんの凸やんは結局どっちの凸やん?私は初代じゃなくてセカンド凸やんだと思ったけど、あれはわざと曖昧にしてんだろうね.


まだ本来の筋が見えてきていない前半よりも、凸やん殺害ドタバタ劇の始まる後半のほうが集中できた.前半、確かに笑えるけどどこに注目していいのかわからない状態だったもん.2時間50分という長い上演時間が気にならなかった.


古田さん、成志さんに比べると生瀬さんがちょっともったいなかったな.台本時点で誰がどの役か決まってなくて、結局河原さんが決めたらしい.日替わりで違う役ってのも見てみたい.この3人なら誰がどの役やっても良さそうだし、できるでしょ.あ、成志さんの江田っちだけが微妙かな.岡じーなんて成志さんのためにあるような役じゃん.生瀬さんはどれもいけそう.ただ岡ジー以外だときっとマジもんで怖いよ.生瀬さんの凸やんが最後に出てきたら本気で怖い.泣きそう.古田さんは江田っち以外は力抜いた雰囲気で演じそう.声も一段高めでネ.
これ、ウーマンリブでもやれそうだよね.江田っちがサダヲちゃん、岡ジークドカンもしくは吐夢さん、凸やんが良々くんとか?こっちのほうがハチャメチャなものになりそうだ.


コッテコテの舞台セットも、ナイロンなんかがよくやるラインと色だけのスタイリッシュ系セットにしたら、また全然違った印象の芝居になるだろうなあ.


この役はこの人じゃなきゃ!っていう芝居というよりは、いろんな想像を楽しめる流動性を持たせた芝居だったように思うのは、メインがあの3人だったからかなあ.だからクドカンはこういう本を用意したんだろうか.


MIHOっちやMIHOっちのお友達も楽しんでくれたようで何より.今回2回とも最後列なんでWOWOWの放送がありがたい.じっくり表情が見てみたいわー.


今日は客席に八十田勇一、嵐の二宮君がいた.二宮君を劇場で見かけるのは2度目だ.どっちも普通に一人で来てた.お芝居が好きなんだね.