第35回『さらば壬生村』

本放送がテロップやら地図やらでもう何がなにやら情報過多な画面になっていて、ほとんど集中できなかった.今回の放送が散漫な印象を受けたのはこの画面が問題なのか、それとも本当にそういう回だったのか判別不可能です.
印象に残ったことのみつらつらと

  • ロケの風景やそこかしこで立ち働く隊士達を見て、ようやく新選組という組織が大きくなってきたという実感が持てた.それに伴って近藤の局長という立場も明確に打ち出されていたように思う.局長局長と言われながらもかっちゃんの名残を残していたこれまでと違い、一般隊士にとって彼は紛れもなく「近寄りがたい局長」であるということがひしひしと伝わってきた.
  • 局長だけでなく今回は土方も副長らしい落ち着きが出てきてた.八木さんと話す時の穏やかで人当たりの良い感じは如才ない副長らしさで一杯だった.西本願寺のお坊さんにも少しはそういう態度で接すれば多少違った印象を与えられるのに.それをしないのが土方が土方たる所以ですね.ひでちゃんを説得するシーンは京に出る際に「総司の面倒は俺が見る」と言っただけのことはある責任感に溢れる表情で、すっかり見惚れてしまいました.ひでちゃんも土方も沖田を思う気持ちには変わりがないだけに、言う方も聞く方もどちらも辛いでしょう.ところで今日の副長は一段と色が白かった.おかげでチークのオレンジが目立つ目立つ.メークさん、あのオレンジチークは一度やめてみたらいかがでしょう.いいじゃん、真っ白でよぅー.ここまで放送回によってドーランの色がころころ変わるドラマも珍しいんじゃないの?
  • 藤原君は本当に細かい表情と台詞回しがいい.「何か言われた?」ってひでちゃんに言うシーンの表情の変化も良かったけど、今回はなんと言っても「そのときは……逃げるんだよ」の一言にキューンとなった.沖田ってばいつの間にかこんなに大人になってたんだね.ひでちゃんはとても可愛くて好きなんだけど、藤原沖田と並ぶとどうしても沖田のほうが線が細くて儚げで綺麗に見えちゃうのが厳しい.
  • 山南さんの思い出が全て恋話にスライドしちゃってます!いいのか、それで!さすがに山南さんが不憫に思えてきた.まあ、そこが新選組らしいといえばそうなのかもねえ.龍馬や桂が動き始めてるというのに暢気なことです.早く左之助の気持ちがおまさちゃんに通じるといいのにね.
  • 斎藤……捨助見て「できる」って感心してる場合か!早く斬っちまえ.どう見たってあれは素人だからこそのめくらめっぽうなやみくも剣でしょう.予告を見ると捨助がまた調子ぶっこいてるようでムカツクー.くそう、嫌いなんだよ、捨助
  • 長州未亡人のお初さん.すごくすごく可愛い!ちょっとチャン・ツイィーに似てると思った.
  • 中村有志の岩倉公.こういう人だったんだーってのが凄く伝わってきていい.西郷さんと2人で芋焼いてるって凄い絵面だ.慶喜役は今井朋彦だってね.舞台ではインテリ風で神経質で嫌味っぽい役がすごくはまってるので、慶喜ってそういう感じでいくのかなあって勝手に想像中.
  • お幸やってる優香は可愛いんだけど無理に白く塗らない方がいいと思う.白粉が浮いてる.お幸が諌めているというのに局長は「私のためです」とかいって観察方を使う気満々.新選組自体が近藤の組織だからどう使おうが文句を言う筋合いはないけどさあ、それはちょっとどうなのよって言いたくもなる.土方も山崎を私用に使ってたけど、あれは一応沖田のためだし、自分の妾のためとはちょっと一線を画したい気分.
  • 八木さんが涙ぐむほど別れを惜しんでくれていた.い、いつのまに?って思わなくもなかっがた、惜しまれるのは良いことだ.余談だけど、八木さんと新選組との関わりというとTV版『壬生義士伝』の津川雅彦を思い出す.京都を離れる新選組に対する深い愛情には思わず涙がこぼれた.大河ではそこまでの繋がりを感じられなかっただけに、「あら、八木さんってばそんなに気に入ってくれれたのね」って少しだけびっくりした.
  • 為三郎くんともお別れだ.絵にかけそうな、ペコちゃんみたいな可愛いらしさが好きだっただけに寂しい.三谷さん、最後はちゃんと覚書を出してくれてました.回想シーンが入った時は感傷的過ぎていらんって思ったけど、見てるうちに懐かしい気持ちがぶわーっと浮き上がってきた.ほんの2,3ヶ月前に放送されただけなのに皆若いよ〜.実際の役者の年齢は全然変わってないのに、なんでこんなに違って見えるの.今までの大河って長生きした人の人生を追っかけてたから、歳取ったなあ、若かったなあって印象は明らかな老けメイクの産物だった.ほんの1,2年という短い時の経過をここまで見事に描いてくれているだけでもこのドラマの凄さがわかるというもんだ.