ウーマンリブvol.8『轟天VS港カヲル 〜ドラゴンロック!女たちよ、俺を愛してきれいになあれ〜』

【作・演出】宮藤官九郎
橋本じゅん 皆川猿時
池津祥子 猫背椿 宍戸美和公 伊勢志摩 田村たがめ 平岩紙
近藤公園 吉田舞 少路勇介
星野源 富川一人 関谷悦明 尾崎拓也 宮沢紗恵子
宮藤官九郎 武田浩二 大林勝
片桐はいり 武沢宏

じゅんさん最高!!轟天ウーマンリブでも轟天だった!
クドカンありがとう.


入り口で配られるカヲルと轟天のアップが裏表に印刷された巨大うちわにいきなりびびる.どうすんだこれ?と思ったら、劇中の応援小道具として使用することになるのだった.
実質3列目センター寄りというネタモノ見るには絶好の、臨場感溢れる席で冒頭から大笑い.
じゅんさん、すごいよじゅんさん!


クドカンも本当に轟天が好きねえ.自分のカラーをつけることなく新感線の轟天キャラそのままで最後まで押し切ってくれてた.しかもいのうえさんも真っ青な働かせっぷり.40過ぎてるじゅんさんを容赦なく動きまわらせてた.轟天シリーズを見ていないとわからないネタも散りばめられてたから、新感線を知らない大人計画ファンにはわかりづらかったところもありそう.


今回はクドカンがここぞとばかりに権力行使して、自分のために轟天祭りを開いたって感じだった.もはや観客はおまけに近い.しかもクドカン、体張ってる!女子高生の格好してパンツ脱がされそうになってる姿はとても売れっ子脚本家とは思えません.喉潰してたけど楽日まで持つのかしら.そこだけが心配.


新感線では、暑苦しい轟天に対し敵役も同じくらい暑苦しいので必然的にものすっごく暑苦しい世界が出来上がってしまうんだけど、そこは大人計画、暑苦しさのベクトルが違います.70年代っぽさが色濃い新感線に対し大人計画って80年代の匂いがする.そして渚カヲルという脱力キャラも非常に80年代っぽい.そのベクトルの違うキャラを2つ並べて上手く料理していた.が、実はカヲル関係で一番受けたのは痩せてた頃のカヲルに扮した伊藤英明の底抜けに明るいバカ笑顔だ.


大人計画の女優陣が轟天と絡んでるシーンのなんと不思議なことか.ひたすら笑いとネタに走る新感線女優陣と違い、大人の女優陣って演出家には逆らいません的な非情に真面目な印象がある.色が違うと思ってたのに実際に並ぶと想像以上にはまってた.


そしてなんといっても片桐はいりの素晴らしさ.全編に漂うキルビルパロの充実度も彼女がいたからこそ.轟天と同じ濃さをいかんなく発揮できる稀有な女優だ.


こんなネタ芝居だというのに、改めてじゅんさんの役者としてのスキルの高さに驚いた.相手が誰であってもここぞという時に絶対にはずさない.すごい!


毎回登場するというゲスト、初日には阿部サダヲが出たらしいしMIHOっちのお友達が見た回では右近さんが登場したとのことで期待してたんだけど、登場したのは見覚えのない男性.反応からしてほとんどの客がわからなかったらしくクドカンが紹介してたけど、微かに聞き覚えのある名前だったものの結局わからなかった.後で調べたらアイデン&ティティの主役の峯田和伸君だった.雑誌でしか見たことなかったから(しかもアフロヘア)、あんなにちっちゃくて小動物っぽいイメージの人だとは思わなかったんだ.


今回私と妹のハートをがっちり掴んだのが横分け色白メガネの白金宏をやった武沢宏.緑のシャツに茶色のレザースーツ、ぴっちり横分けした髪に黒セルフレームの目がね、そしてもちもちした白肌に凹凸の無いのっぺりした輪郭、うーん、どれをとっても好みです.隣の妹はメロメロでした.私もちょっと見惚れてしまった.がしかし、この方このメークと扮装を取ったら気がつかないかもしれない.どうやら初演の『ドライブイン・カリフォルニア』に出てたらしいよ>妹