松尾スズキ監督『恋の門』

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おもしろかったです.映画としてどうかはよくわからないけれどおもしろかった.
まあどっちかっていうと映画的というよりは舞台的だったなあと.
台詞がかなり松尾ワールドだったんだけど、これって原作ありなんだよね.
原作のマンガもあんな感じの台詞の応酬なのかしら.


ストーリーどころか何についての話なのかも知らずにいったので、怒涛のように飛び出すオタク世界に目が白黒.
いきなりコスプレかよっ!アニソンかよっ!同人誌かよっ!
挙句の果てにはコミケに突入かよっ!


いや、そんなことよりキャスティングです.
すごーい.絶妙のキャスティング!
松尾さんってばコネ使いまくり.憎いね.ずるいね.上手いね.


ヒロイン恋乃が勤める会社の同僚にすかさず平岩紙ちゃんと杉村蝉之介が!
尾見としのりは何の役で出てたんだ.見逃したー!
っていうか最後のクレジットで役名確認したけどいまだにあれが尾見としのりに見えません.役者じゃのぉ.


恋乃のコスプレ好きの両親には大竹しのぶ平泉成
大竹しのぶメーテルになってます.しかも結構いけてます!
アニソン帝王がいきなり皆川猿時.しかもなぜかのロン毛カール.


松田龍平のお父さんが大竹まこと.しかも渋い日本画家.
死ぬ間際まで悶絶しながら筆を握ってました.
そんな大竹さんの姿に泣くどころか笑いました.


松尾さんの経営するマンガ喫茶ならぬマンガパブの常連客が筭本晋也と小島聖
小島聖はあのエロボディを惜しげもなく見せつけてくれてます.かっこいー!


松田龍平のボロアパートにはユセフと忌野清志郎がヒッピー姿でうろうろ徘徊.
雪山を歩くバカップルが田辺誠一片桐はいり.これだけ!っていう出番なのにおもしろすぎ.
松田龍平が食い逃げする中華料理屋のSM狂いの店長に小日向文世.まさか小日向さんのボンテージ姿が見られるとは!
イメクラ店長に三池崇史、アニソン帝王と行くツアーで泊まった旅館のおかみと亭主に庵野秀明安野モヨコという本物夫婦が登場.アニソンにあわせて微妙に体が揺れる庵野秀明とそれを怪訝にみる安野モヨコがおもしろすぎる.
マンガを万引きされる書店の店員に市川染五郎.染、何してんだ…


酒井若菜の描く同人誌の信者として毛皮族江本純子が登場.
がしかし、凄いのは「コミケ会場の人」キャスティング.しりあがり寿やら内田春菊やら山本直樹が顔を連ねていたらしい.細かすぎてわからんっつーの!


ストーリーのバカバカしさもさることながら次から次へと繰り出される濃いキャストに翻弄されまくってしまった.このノリはまさに舞台.これ舞台でやって欲しいなあ.


松尾さんの役はいいとこ取りだった.
酒井若菜はめちゃくちゃ可愛い.ぶりっ子(死後)を女の武器として使っているしたたかさが嫌味にならないところが凄い.
松田龍平は終始こ汚い格好だったので◎.ダメっぷりが良かった.


なんかこういう話って松尾さん関係でどっかで見た記憶があるんだけど思い出せない.
テレビドラマか何かで同じようなのやってなかったっけ?