SHINKANSEN☆RX『SHIROH』@帝国劇場

[作] 中島かずき
[演出] いのうえひでのり

[出演]
中川晃教 上川隆也 高橋由美子 杏子 大塚ちひろ
橋本じゅん 植本潤 吉野圭吾 泉見洋平 粟根まこと
秋山菜津子 高田聖子 池田成志 江守徹 ほか

2回目です.今日は片桐はいりと伊勢志摩が連れ立って見に来てました.
どうして2幕は必ず眠くなるんだろう.
ラスト30分だけを何度も見たいです.
感想はまだ…


【追記】
寒い!帝劇内がとにかく寒くて参った!
ひたすら冷風がかかり続ける席で途中からカーディガンを羽織り、あげくにコートまで着こんでショールをかけてもまだ寒い.どうなってんだっ!


2回目のSHIROH.
私にとっては最後のクライマックス30分だけを何度も見せてくれ〜って芝居です.いのうえ歌舞伎はいつも最後のクライマックスをベッタベタに盛り上げてくるんだけど、今回はラスト30分に芝居のほとんどが詰まってる感じでした.
一度展開を知った上で見るには、おみつさんが死ぬあたりからだけでいいやとすら思ってしまった.
それまではボケーッと傍観者的に見ているのに、最後の中川SHIROHの搾り出すような歌、上川SHIROHの嘆きの歌、自ら進んで死に向かう群集の歌、天から降ってくるようなリオの歌が怒涛のように迫ってくるラストで圧倒されている自分がいる.最後は凄く好き.


今回の脚本江戸幕府側が悪で島原側が善といった単純な図式で描かれていないのが良かった.2人のSHIROHは最後まで悩み続ける普通の人であったし、伊豆守も政治家として自分の信じる道を行く信念の人だった.
ただそのせいでどちらに肩入れするでもなく見てしまうので、個人の感情がなかなかこちらに流れ込んでこない.そういう意味で、非常にわかりやすいおみつさんに一番シンクロしてしまうのかもしれない.


それでもオリジナルのミュージカルとしたらかなり良い出来なんじゃないかなあ.新感線の芝居だって考えると今年はアカドクロの印象がとにかく強烈で、あれと比較したら弱いと思ってしまいがちだけれど、帝劇でやるオリジナルミュージカルと思ったらかなり毛色の違う意欲作と評価していいと思う.
注文があるとすればやっぱり音楽かな.登場人物の感情と音楽がリンクしてこそ盛り上がる場面で音楽が弱いなと思ってしまった.例えば上川シロウを由美子ちゃんが戦いに誘う掛け合いのシーン.あそこは感情の高ぶりと共に音楽も盛り上がって欲しかったのにずっと同じトーンだったのが寂しかった.


今回は後方の席とはいえほぼセンターだったので、照明効果をばっちり体感することが出来ました.最後の十字架は照明で作ってたのか.
モニターを使った闇市のセットが一番好きだ.あの猥雑な感じがいい.


役者はどんどん進化してます.物語の中にはまり込んでいるのがわかります.
そしてたった一週間ですが江守さんの歌がとーっても進化してました!手に汗握る感覚が少なくてすみます(ゼロではない)
秋山さん、ちょっと声がかすれ気味?もったいない.
上川さんは良い声なので歌も素敵なんだけれど、唯一中川君と歌う明るめの歌、あれはリズムが取れてないので一緒に歌わない方が良かったのではと思う.殺陣がかっこいいのがさすがです.


新感線付近の役者がそろそろ飽きてきたのかネタに走り始めてました.この分だと楽日あたりは相当凄いことになりそう.(ただあのお遊びは普段の新感線を知ってる人でないとなかなか伝わらないジャンルのネタなんだなーって空気は微妙に感じました.)
成志さんとじゅんさんがネタ仕込んできてました.特に成志さんはのびのびやってたわ〜.そこに江守さんが結構絡んできてるのがおもしろい.ああいうの好きなのかしら.
成志さんは忍法帖で古田さんがやってた物真似(多分大滝秀治)をやってました.それからはける間際に「君は何人?」と普通にじゅんさんに質問して、そのまま去っていきました.残されたじゅんさん、ちょっと間が開いて
「しいていうなら関西人や………斬りたい!こんなつまらないリアクションしかできない自分を斬りたい!」
笑いました.