NYLON100℃ 27th Session『消失』

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
みのすけ:スタンリー・.フォルティー
大倉孝二:チャズ・フォルティー
犬山イヌコ:ホワイト・スワンレイク
三宅弘城:ドーネン
松永玲子エミリア・ネハムキン
八嶋智人:ジャク・リント
声の出演:池谷のぶえ

感想は後ほど.
ケラさん最近のってるね!良かった!


帰り際、なぜ目の前の男性は紀伊國屋の階段を上がるんだろうって不思議に思って見ていたら、振り向いた顔は阿部サダヲちゃんでした.
サダヲちゃんの私服はいつ見てもお洒落で可愛い.


【追記】
松尾さんが不発に続いてケラさんまで不発だったらどうしようかと思ったけれど、いやー、おもしろかった.
前回の『男性の好きなスポーツ』もおもしろかったし最近のケラさんはのってるね.
今回は『男性の…』に比べるといつものケラワールドに近い作品だったので途中から展開は見えていたけれども、2時間半もの間まったく飽きさせないのはさすがだ.


登場人物は6人だけ.ケラさんは『フローズン.ビーチ』といい少人数の芝居をのほうが好みだ.ナイロンにしろ大人計画にしろ新感線にしろどこも皆劇団員に出番を作ってると分散しがちな傾向にあるからね.今回は6人だけに抑えたおかげで、その分濃い世界が出来上がっていた.
しかもナイロンは本当に役者がいいからさー、安心してみていられる.ここまで上手くてしかも個性的な役者が満遍なく揃ってる劇団って他にちょっとないんじゃないか.ケラさんも書いてて楽しいだろうなあ.


不幸の積み重ねという点で松尾さんと似てるところもあるけれど、人間の書き方が全然違う.ケラさんはクールだよね.ケラさんは登場人物のそれぞれを個として捉えるというよりは、社会という大きな視点で人間を俯瞰しているような印象を受ける.だからケラさんの作品、特にナイロンの作品を見た後ってどの人物に共感するとか誰が印象に残るとかいうのが無くて、人間社会のある側面をのぞき見た感覚になるのかな.
戦争というものを外枠に置きながらイデオロギーをまったく無視してパーソナルな点だけに特化しているのが非常にケラさんっぽくて好感大.こういう処理をしてくれれば、今の時勢の中で戦争を芝居に組み込んできても反感持たずにすむわ.


今回は大倉君を飛び道具的に使わず真面目に芝居させていた.これが大正解.こんなにシリアスでかっこよい大倉君を見ることもそうそうないだろうな.ちょっとときめいてしまった.
最初の頃は苦手だったみのすけさん.最近ようやく良さがわかってきた.いや、むしろ凄いと思ってきた.たまらなく上手いです.
まあ、上手いって言い出したらみんな上手いんだけどさ.犬山さんも三宅さんも松永さんも、ほんと隙がない.お見事!
唯一八嶋さんの使い方が少し疑問だった.あの役は微妙に取ってつけた感じがしたし.いきなり射殺してしまうところとかあまりに唐突過ぎて、彼だけがどういう原理で行動しているのか結局よくわからなかった.


チラシを見るとケラさんは来年も精力的に働くようです.次回公演が俄然楽しみになりました.
なにより劇団健康が楽しみすぎ!手塚さんが見たい!