NODA・MAP『走れメルス』@シアターコクーン

作・演出 野田秀樹

芙蓉:深津絵里
久留米のメルス:中村勘太郎
零子:小西真奈美
メルス・ノメルク:河原雅彦
大地主/芦田刑事:古田新太
百太郎/太股田刑事:小松和重
城代家老/脇田刑事:浅野和之

勘定奉行/尻田刑事:松村武
小作人/踵田刑事:腹筋善之助
三匹の侍1/脛毛田刑事:六角慎司
三匹の侍2/膝小僧田刑事:櫻井章喜

大奥様/桐島陽子:野田秀樹
女学生1/桐島年江:峯村リエ
女学生2/桐島歌江:濱田マリ
女学生3/桐島花江:池谷のぶえ

とにかくすっごーくおもしろかった!!好き!!
もう一回見たい.チケット探そう.
今回は最前列で良かった.もう皆さん表情が凄すぎです.
大好きな古田新太小松和重がおいしい役で釘付けでした.
峯村リエ池谷のぶえ濱田マリの3姉妹もキャラ濃すぎ.楽しい!
深津絵里ちゃんはさすがでした.

会場にて勘九郎パパに波野久里子に柳家花緑を目撃.

感想はあとから.


[追記]
はっきりいって意味はよくわかりませんでした.野田さんが書く言葉はその心地よい響きとリズムだけでなく、きっと言いたいことが一杯詰まっているんだろうけれど、その言葉の波に身を任せているだけで十分満足してしまって、芙蓉やスルメの想いにまで心を砕く余裕がなかった.野田芝居の走り回って動き回ってという特色が無理なくすんなりと芝居の中に収まっていた.

パンフによると野田さんが20代の時に書いた戯曲だということで、私は遊眠社時代の作品は見たことがないけれどこういうタイプの作品なのであれば多分今の野田さんの作品よりも好きかもしれない.全編を通して溢れる若さと勢い、そしてノンストップの高揚感が気持ちよい.エンターテイメントとも違うし、特別カタルシスを味わうわけでもない.なのに物凄く楽しい.いい物見たわ〜っていう満足感と嬉しさで一杯だった.久しぶりに台詞を台詞として楽しむというワクワク感を覚えた芝居だった.

スルメは冒頭「おとうさーん」と叫んでいた.でも本編では「お砂糖」と「お里」だけで「お父さん」という叫びはなかった.これは何の暗示?オイディプス的な何かの暗示?
なんかこういうことがいつも今ひとつピンと来ないんだけど、最近はピンと来ないのは多分私にとってそれは必要な情報や必要な感情ではないからだと割り切ることにした.

今回出ている役者のほとんど大好きであっちを向いてもこっちを向いても好きな役者オンパレードという大変贅沢な舞台でした.こういう時は最前席でも嬉しい.

中でも特にお目当てだった古田さんと小松さんは2人とも超おいしい役どころでたまりませんでした.
特に小松さんにあれだけ出番と台詞があるとはっ!小松さん特有の力の抜けた感じが野田芝居のトーンとぴったりだった.自分の劇団じゃ太眉毛でおバカなことばっかやってるから忘れそうになるけど上手いよねえ.どこに客演してもきっちり仕事をこなしているから素晴らしい.
古田さんと野田さんのやり取りは爆笑.2人とも登場しただけで笑えるもん.あのオーラというかインパクトは一体なんだろう.それにしても自分でも言ってた通り古田さんって野田さんの扱いが上手いわー.自由自在でしたね.

深津ちゃんはカメレオンリップに続き今回も良かった.悲劇的な叫びも嘆きも全て感情をコントロールしてある意味とても冷静に演じているからこそ、芙蓉の屈折や希望や絶望が素直にこちらに伝わってきた.対する勘太郎ちゃんは年々演技がパパに似てきてませんか.そして私も妹もどちらかというと苦手なタイプなんだなあ.入り込みが凄すぎてこっちが引いてしまう.演じることに一生懸命過ぎてるような気がして、観客が見てるということをもう少し思い出して欲しいなぁ、などと偉そうなことを思ってしまった.ただああいう暑苦しさが今の野田さんが欲するものだったのかもしれないなとも想った.

小西真奈美は赤鬼が良かっただけにあれだけではちょっともったいない.河原さんはいつでもどこでも河原さんだった.あれ以外の芝居を見たことがない.私は好きだけれどもダメな人はとことんダメだろう.ただダメ男臭がこれほど自然にはまる人もそうはいまいと思う.

大好きな峯村リエさんは池谷さんと濱田マリちゃんと3人姉妹役.この3人最高!!
顔見てるだけで笑っちゃった.近くで見るとメークと衣装がすごく可愛かった.参考にしたいくらい.

浅野さんのあの体の柔軟度と体力は何事でしょう.すごいよ、ほんと!

是非もう一度見たいと思ったけれどWOWOWで放送するらしいのでここはグッと我慢しようかな.