寿新春大歌舞伎＠新橋演舞場

風邪っぴきの中、昼の部と夜の部を1日で見てきました．
昼の部は体調のこともあり記憶が飛んでる………あぁ……

一番のお目当て『鳥辺山心中』は、時間間違えて遅刻してへこみはしたものの、眼福眼福!!
何度でも見たいわ．

そんなこんなで昼の部感想箇条書き

• 毛谷村、浅草歌舞伎のようだった．新ちゃん、もとい海老蔵が子供をあやすシーンは天然っぽくて可愛いかった．もう一度見たい．
• 『文七元結』の菊五郎さんが最高．こういう役をやらせらた右に出る者なし．田之助さんとの息もぴったりで安心して大笑いできる．
• 時蔵さんの使い方がもったいない．あれだけ？
• 研佑改め右近の襲名披露口上あり．大河出演時の海老蔵のNHKの楽屋に当時10歳の研佑君が電話をしてきて「役者の道を進むか唄の道を進むかどうしよう」と相談したらしい．研佑君はことあるごとに海老蔵が憧れって言ってたし、こういう相談ごとも彼にしたんだ．「自分が10歳の時にはなーんにも考えてなかった」って新ちゃんが自分で言ってたけれど、まあそういう態度が普通だろうな．研佑君が歳の割りに成熟しすぎてる気がする．
• 研佑君のお久が菊五郎さんの長兵衛をこんこんと諭すシーンでは、あまりに研佑君の台詞回しが自然で思わず会場から笑いが起こってた．研佑君は声がもちょっと良かったらなあ．
• 以前はお久役が菊ちゃんで、その次が松也君で、今は研佑君かあ．時の流れを感じるわ．
• トイレで波野久里子に遭遇．今月2度目だ．

夜の部はなんといっても『鳥辺山心中』．これを見たいがために奮発して一等席にしたんだもん．しかも2列目センターという役者を見るにはもってこいの席だったのに、開演時間を歌舞伎座と間違えててスタバでのんびりしていたら思い切り10分遅刻してしまった．4時半じゃなくて4時開演だったとは！
海老蔵と菊之助の登場シーンが見られなくて一瞬へこんだものの、すぐさま二人のラブラブ世界に没頭させてもらいました．

歌舞伎の世界でここまで可愛らしくて、しかも美しいカップルって本当に稀なこと．仁左さんと玉さんがもう出来上がっった世界で陶然としちゃうのに対し、海老蔵と菊ちゃんは普通に男女の儚い恋人同士に見えて、手の動きや目線ひとつにもドキドキしちゃう．
膝枕の海老蔵をそっと見守る菊ちゃんや、血を見て動転した菊ちゃんに優しく水を含ませる新ちゃんの視線の優しいことったら！
いくつも二人の恋人同士の芝居を見ているけれど、『鳥辺山心中』に関しては息がぴったり過ぎて歌舞伎だってことを忘れちゃいそう．顔を見合わせたり、ふと腰に手をやったり、そういう仕草が最早「型」に見えないの．
久しぶりに目の前で見た菊ちゃん．ほんと綺麗だったー．見蕩れちゃったもん．後ろのおば様方も「可愛いわぁ」の連発．そうよね、そうよね．どこから見ても可憐な女の子だったわ．あれなら半九郎が執心してもしょうがない．
白塗り海老蔵は絵に描いたような「美男子」です．相変わらず半目で笑えるものの、やっぱりあの流し目威力は凄い！やられた！
ただ台詞回しがもっさり重いのはどうにかならないかしら．口跡に関してはパパを見習わなくてもいいと思うのに、どうも年々パパに近づいているのが怖い．
『鳥辺山心中』そのものはそれほど好きなお芝居ではないから、他の人で見ると大しておもしろくもないんだよね．でもこの海老蔵と菊之助が半九郎とお染をやるのであれば何度だって見たい．

『六歌仙容彩』では菊五郎さんの喜撰と菊ちゃんのお梶が見もの．お梶の菊ちゃんがお染とはまた違った仇っぽい化粧と身のこなしでこれまた素敵だった．夜の部は菊ちゃん堪能です．これで逢州も菊ちゃんだったら言うことないのに．
お父様の延寿太夫が謡う清元で研佑君の踊りです．研佑君はやはりこれからは役者で頑張るそうです．まだどっち方面の役者になるのかわからないけれど、女形も出きる役者になってほしい．どう考えても足りないでしょ．

『御所五郎蔵』何を勘違いしてたのか、團十郎さんと菊五郎さんの両方が出てくるのだとばっかり思ってた．違うじゃん、團十郎さんと左團次さんでした．逢州はなんと松也君．そっかあ、松也君がこんな役をやるようになったんだねえ．がんばってるじゃん！
ところで松也君と團十郎さんの絡みって珍しくない？
皐月の福助はこれしか出番なし．昼の部の時蔵さんといい女形の使い方が不思議だ．二人ともどこか違う劇場をかけもちしてる？
そう思うくらい出番が少なかった．