ベルリン国立バレエ団『ニーベルングの指輪』

14:00開演 東京文化会館


【音楽】リヒャルト・ワーグナー
【振付・演出】モーリス・ベジャール


弁者:ミカエル・ドナール
さすらい人:アレクセイ・ドゥビニン


ローゲ:ウラジーミル・マラーホフ
ブリュンヒルデ:ディアナ・ヴィシニョーワ
ジークフリート: マリアン・ヴァルター(子供時代) ミカエル・バンツァフ(青年時代)


■神々
ヴォータン:アルテム・シュピレフスキー
フリッカ:ヴィアラ・ナチェーワ
ドンナー:マルチン・クライエフスキー
フロー:ライナー・クレンシュテッター
フライア:ベアトリス・クノップ
エルダ:アリアンヌ・エルネスティ


■小人族
アルベリヒ:マルティン・ブチェコ
ミーメ:ディニュー・タマツラカル


ジークムント:イブラヒム・ウェーナル
ジークリンデ:コリーヌ・ヴェルデイユ
フンディング:ロベルト・ヴォラート


ピアノ演奏:エリザベット・クーパー

長かった.14時に始まって終わったのがほぼ19時.間25分の休憩はあったもののみっちり4時間30弱ですよ.
最後まで見切ったという充実感と疲労が一番の感想ですね.


おぼろげにしかストーリーを把握してなかったので、もしかしたら舞台上の進行が全然わからないかもしれないという心配は杞憂に終わりました.弁者が合間合間に登場人物の心情などをナレーションのように語ってくれるので、一応話にはついていくことができた.
大雑把にまとめれば神々メインの1部、ジークフリートメインの2部といった構成でしたが、私は1部のほうが楽しかった.
1部のほうがメリハリがついていて舞台にひきつけられた.神々や巨人族や小人族と次々にいろんなタイプの踊りが登場するので目が離せない.全身黒で槍を操るブリュンヒルデはかっこいいし、狂言回しのようなマラーホフのローゲは舞台を縦横無尽に飛び跳ねてるし、べジャールお得意の群舞が目立っていたのも1部だった.
2時間見た後の疲れも手伝って2部は間延びしちゃう場面が多かったなあ.2部の何がつまらなかったんだろうとつらつら考えるに、おそらくジークリンデ役のダンサーが好みじゃなかったのが大きい.冒頭ジークムントとジークリンデが大フューチャーされていて、延々と続く二人の踊りに意識が遠のいた.
1部が終わった時点では大感動の終幕になるかもって期待したけれど、2幕終わったあとではそこまででもなかった.同じベジャールなら『第九』のほうが感動した.音楽の違いも大きい.ベートーヴェン大好きだから音楽聴いてるだけでも盛り上がった.同じようにワーグナーの曲に馴染みがあるかないかでも感じ方が違うんだろうな.ところどころ知ってる曲はあるんだけれど、全体として曲に馴染みがないから2幕は途中までかなり集中を保つのが厳しかった.
ジークフリードが薬飲まされて記憶喪失になったあたりから盛り返してきて、最後のローゲとブリュンヒルデの踊りは緊張感あって良かった.もう一度きちんとストーリーを把握してから見てみたい.
一番のお目当てのマラーホフは本当に自由自在にローゲという役を演じていた.ジゼルやマノンももちろん素敵だけれど、この手のタイプをもっと日本でも踊って欲しい.