パリ・ルーブル美術館の秘密

パリ・ルーヴル美術館の秘密 [DVD]

パリ・ルーヴル美術館の秘密 [DVD]

美術館で働く裏方を学芸員から食堂で働く人まで淡々と映したドキュメンタリータッチの作品.巨大美術館の裏側をちょっとだけのぞくこと出来る映画だ.
絵の紹介も余計なナレーションも一切なし.ひたすら職員が各自の職場で働いている様子を映していた.ただ、場所が場所なだけにちらっと映る絵がレオナルド、レンブラント、ファン・ダイク.ラ.トゥールと超一流のものばかりでとっても楽しい.
新しい制服の試着の様子や、地下に広がる無機質な廊下や、火災訓練の様子など普段見られない光景ももちろん興味をひくものではあるけれど、やはり一番の見所は美術品を扱っているところ.
巨大な絵を新しい場所に展示するためにいったい何人の手が必用なんだろう.そりゃもう大仕事です.10人ほどの屈強な男性が一斉に綱を引っ張る様子を見ていると、逆にこんな大変な絵をどうやって描いたんだってそっちが不思議になってくる.
この3月に訪れた時に3階展示室が真っ白の壁の新しいものになっていたけれど、ちょうどその3階をアレンジをしている様子が映っていた.何をどこに展示するかというのは学芸員の采配ひとつで決まるのね.
傑作のみの少数精鋭的な展示と、できるだけ多くの作品を展示する方式と、どちらの方式をとるかという問題で、「観光客のためだけにあるような美術館ではなく何度も訪れてその度に求めるものを発見してもらえる百科事典のような美術館にしたい」という言葉が印象的.
何度も訪れることできる人がうらやましい.