WOWOW『続巷説百物語-狐者異』

WOWOWでは随分前に田辺誠一主演で2本ドラマが制作された.今回は演出、出演者が一新されての再登場です.
京極作品に堤演出ははまると思った.あとはもう少し丁寧に感情部分を追ってくれたらな.巷説百物語が京極さんの作品の中ではかなり親切に感情を描写してあって、わりとシンプルにホロッとしたりキュンとしたり出来るんだけど、そういうカタルシスが感じられたらもっと良かった.
作った時代もあるとは思うけれど、前回のが必殺仕事人的な演出だったのに比べ今回は堤節がいかんなく発揮された現代劇に近いドラマになっていた.嫌いじゃない.キャストも前回とはまた別の魅力があって良かったと思う.でも原作の雰囲気に近いのは前回かなあ.今回は小説の登場人物というよりは役者自身が持ってるキャラが前面に押し出された作品になっていた.そのせいかキャラを見るのは楽しかったけれど、いわゆるミステリー仕立ての仕掛け部分はあれ?ってくらいあっさりやり過ごされちゃってた.もったいない.
田辺誠一の又市が好きだったので渡部篤郎に慣れるか心配だったけれど、予想に反し渡部篤郎の又市のほうがオトボケ感が強かった.
そして吹越満粟根まことにしか見えません.粟根さんのほうがもっと目つきが悪いけど(笑)