坂田藤十郎襲名披露 壽初春大歌舞伎 昼の部


感想は後ほど⇒感想追記

鶴寿千歳

雄鶴:梅玉 雌鶴:時蔵


松竹は梅玉時蔵ペアを売り出しにかかってるんだろうか.
この二人の堅実な上品さというのは好きだし、ここ最近二人が組んだものはどれも楽しく見てるのでこの路線は歓迎です.
白装束姿が美しく、まるでお雛様のようなお二人でした.

夕霧名残の正月

由縁の月

藤屋伊左衛門:鴈治郎改め藤十郎 扇屋三郎兵衛:我當 太鼓持鶴七:進之介 扇屋女房おふさ:秀太郎 扇屋夕霧:雀右衛門


藤十郎が本物の紙衣を着て登場.でも遠目からだと特に紙衣だとはわからず.松嶋屋の上二人は歌舞伎座だったのね.上方歌舞伎の重鎮揃い踏みのご挨拶演目でした.

奥州安達原

環宮明御殿の場

安倍貞任吉右衛門 袖萩:福助 八幡太郎義家:染五郎 浜夕:吉之丞 安倍宗任歌昇 平仗直方:段四郎


昼の部一番.吉右衛門にもってかれました.かっこいいね〜.ぶっかえりの衣装が眩しい!
それがまたすすっと上使の衣装に戻っていったのが凄い.こういう一つの衣装がいくつにも変化していくのは着物ならではの醍醐味だよね.
上使の時と貞任の時で声を変えていたので、上使の胡散臭さが際立ってた.
対する義家に染五郎.うーん、ちょっと貫禄負け?もう少し腹の据わったところが見えたほうが幕切れがすきっとするんじゃないかな.
前半は袖萩が泣きっぱなし.歌舞伎にはこのヨヨヨと甲高い声で鳴き続ける女性の役ってのがちょくちょく登場するのだけれど、歌舞伎をコンスタントに見始めてから6年ほどたった今でもこの手のタイプの女性の演技をどう受け取っていいのかよくわからない.
子役の女の子が上手かったな〜

花競四季寿 万才

福助扇雀


優しく明るい色彩が華やかな踊り.

曽根崎心中

天満屋お初:鴈治郎改め藤十郎 平野屋徳兵衛:翫雀 油屋九平次橋之助 天満屋惣兵衛:東蔵 平野屋久右衛門:我當


お初を藤十郎、徳兵衛を翫雀という襲名にふさわしい組み合わせ.
冒頭の初々しい恋人同士の逢瀬の場や、最後の心中場など、藤十郎のお初が本当に19歳の可愛らしい少女に見える.おそるべし.
ただここ最近藤十郎は喋り方の特徴が更に強調されてきているようで台詞がどうも聞き取りづらい.それがネックとなってなかなかお話に集中できなかった.
我當さんの久右衛門が良かった.松嶋屋の三兄弟はそれぞれ持ち味が全然違っていて、そのどれもが好きです.