京都国立博物館『大絵巻展』
http://daiemaki.exh.jp/index.html
開館と同時に入ったので1点ずつじっくり見ることが出来た.開館1時間経つともう人で一杯で後ろから覗き込むことになるので行く予定の方はぜひ朝一で!
ただ朝一だと人が少ないせいか館内の冷房が身に染みる.はんぱなく寒い.心底冷え切るので本来ならもっとじっくり見たかったのに、寒さのあまり注意力がもたなかった.もう少しあったかかったら言うことなかったのに.
国宝 地獄草紙 (奈良国立博物館)
蛆虫が湧く中でもだえる人々、巨大なすり鉢でゴリゴリ摩り下ろされる人々など、地獄の責め苦を描いた作品.いたぶる鬼達の表情があまりに楽しげなため、今の視点で見るとほのぼのとした感じすら受けてしまった.
国宝 餓鬼草紙 (東京国立博物館)
宴会中の人のところに現われる餓鬼、生まれたての赤ん坊を狙う餓鬼、鬼にいじめられる餓鬼など、こちらも怖さというよりはユーモアを感じる作品.
国宝 鳥獣人物戯画 (高山寺)
乙巻は馬と牛を描いたもの.
甲巻は有名な兎とカエルがメインのもの.何度見ても兎達の豊かな感情表現と身体表現には頬が緩む.ケラケラという笑い声が絵巻の中から聞こえてくる.
重文 十二類絵巻 (個人蔵)
干支の競争の審判(?)になった鹿を羨んだ狸が、来年の審判に立候補したものの散々バカにされ、その復讐に干支に入っていない動物を集めて策略をめぐらすものの結局反撃を受けてひどい目にあう絵巻.狸は何をしたらこんなひどい目にあうんだろう.
重文 福富草紙 (京都・春浦院)
放屁で財を築いた福富を真似た隣の老夫婦がひどい目に合う御伽草子の代表的な作品を描いた絵巻.踊っている福富だけでなくそれを見ている民衆の表情もいい.