朧の森に棲む鬼@新橋演舞場


東京楽日に行ってきました〜.どこも楽日は一種独特だけど、なかでも新感線の楽はお祭り気分が一杯で楽しい!
染やサダヲちゃんが花道で初登場するシーンで、いつもは無かった拍手が起こったのも楽ならでは.最初から客席の気合も違ってた.
今日は3階席左というとてつもなく見づらい席での観劇で下手芝居がまったく見えなかったけれど、そんなこと全然苦にならなかった!終盤に近づくに連れ、こんなかっこよい芝居が終わってしまうのがもったいなくて淋しくてねえ.いつか再演があるかもしれない.でももうこの年齢のこの役者で見られることは無いんだもん.この高揚した小屋の空気をしっかり覚えておこう、目に焼き付けておこうってこっちの気合も十分.上から見ると照明や立ち位置など新しい発見もいろいろあった.これがあるからいのうえ演出はいろんな角度から見たくなる.


2幕後半のライ、キンタ、ツナ、マダレの四つ巴がたまらん.こんなバランスの良い4人はなかなか揃わないよ.それに加えシキブとオオキミの関係がまた良くてねえ.
ライ、キンタ、マダレという違う芯を持つ強い男たちがなんとまあかっこいいことか.
1回目は染よりサダヲちゃんのが印象に残った.主役食ってるよなーって思った.おバカで純な役はサダヲちゃんの真骨頂で、愛しくてギュッとしたくなる.
回数を経るうち、転落していく染がどんどん迫力を増してきた.負けねーぞっていう渾身の気合いっつーか意地っつーか、最後の赤色は染の体から迸ってるって思える空間を作り出してた.でもって、そんな染に全然負けないサダヲちゃんもこれまた凄い.舌先三寸でのしあがり策をこねくりまわし誰もこいつには敵わないんじゃないかというオーラを持っていたライが、後半キンタの単純さピュアさを前にすると途端に揺らいで見えてくるのが面白い.
あ、演出が変わったんだと思うけど、目が潰れた後のキンタにライが言う「相棒だ」って台詞、あれ前はそれほど抑揚つけずに普通に言ってたと思うの.それが25日に見た時にはちょっとだけ棒読みっぽくして「心に届かない」っていうキンタが感じてるのと同じように観客が感じさせる言い方にしてた.私は前の方が好きだなあー.そこまで親切に演出されるとちょい冷めてしまう.ちょこちょこ変わってる台詞の言い方の中でこれだけはどうしても気になった.


楽日だからってことは無いだろうけど、お遊びも一段と楽しく役者が活き活きしてた.
手紙を読むシーンでツナに殴られたキンタが「アニキのせいで!」ってライをなじるとこ、「あっそうか、あっそうかって」って繰り返すサダヲちゃんに「キンタ気が済んだか」と秋山さん.確かにサダヲちゃん楽しげに長かった.
粟根さんと小須田さんのハケ際のネタは髪型.「この髪型時間がかかるんだ」「お前に言われたくない」等々.
そうだ、牢に連れていかれるマダレがライに言う台詞って前から「シャッポを脱ぐぜ」って言ってたかしら.「ん??シャッポ??」って耳に引っ掛かったけど誰も反応してなかったからさー.シャッポって明らかに変でしょ.
あと最初の朧の魔女の歌で聖子さんが歌詞間違えて、というか忘れてほにゃらら〜ってな感じで歌ってた.あれは罰ゲームにならないんだろうか.


楽恒例のせんべい巻きはサダヲちゃんが歌う『血風ロック』に乗って.特別ゲストの冠さん(あとで「僕ですみません」と挨拶されてましたがなんのなんのかっこよかったっす)とツインボーカルで、客席はもちろん総立ち.サダヲちゃんな通路に下りて、最後には桟敷席の端に飛び乗ってシャウトしまくってました.最後まで可愛いったらないですよ.
3階だったけど見れない席だとわかってるのか真っ先におせんべいを配ってもらえ、おかげで何の苦労もなく2枚GETしました.
アナウンスが流れても更に大きくなる拍手に応えて何度かカーテンコールをしてくれた.サダヲちゃん可愛いーって思いつつ、カーテンコールは古田さんに釘付けなのです.あんな太っちょでへんな髪型だってのになんであんなに素敵なんだ.ずるい.
DVDが出るのが待ち遠しいよー.早く映像で見てみたい.大阪公演がこれからだってのがもどかしいですな.つか大阪行きたい.