サッちゃんの明日@シアタートラム

作・演出 松尾スズキ
鈴木蘭々 宮藤官九郎 猫背椿 皆川猿時 星野源 家納ジュンコ 小松和重 松尾スズキ

B列15番.
なぜか上手1列目(=B列)だけビニールシートがおいてあった.その昔蜷川芝居で頭から被らないとずぶぬれになっちゃうパターンがあったのでドキドキしてたけど全然大丈夫だった.

それが正か負かはおいといて、とりあえずパワー溢れる芝居だった.松尾さんの芝居でこんな風に圧倒される芝居後感(そんな言葉があれば)に包まれるのは久しぶりじゃなかろうか.最後の怒涛の展開にはしばし呆然.
2人の身障者の重度の違いによる微妙な優越感やクスリに対する赤裸々な態度とか、松尾さんはなんか怒ってたのかなってくらいストレートに世の中の負の面を描いてた.
それにしても蘭々の持つ薄幸オーラがいかんなく発揮されてる芝居ですね.とても可愛いのに可愛い人が持つ図太さが感じられないので、ああきっと不幸になるんだろうなあって、そうなる前から伝わってきた.周囲が全部壊れてしまって、一人残されて、たった一つの願いも叶えられなくて、それでもぼんやり生きていくんだろうなあっていう鈍感さがむしろ強さなのか.
サモアリ組が素晴らしい仕事してました.久しぶりの家納さんの凄さときたら!!!サモアリ復活しないかなー.