奈良へ

もととの今日のお目当ては次の2つ。

たまたまイベント情報を見てたら遷都1300年祭の一環で平城宮跡がライトアップされる週にかぶってたのでこれも見ることにする。

いつもなら早朝出発のところだけど、ライトアップが19時からだったので比較的のんびり8時過ぎに出発。
桑名ICから東名阪自動車道に乗り、毎回毎回見過ごす針インターで無事一般道に入り、一路安倍文殊院へ。

安倍文殊院

入場料700円でお抹茶&お菓子付き。説明しますから〜ってことでお抹茶を慌てて頂き本道へ。私達の他に2組だけどいう少人数で説明を聞く。文殊様は定期的に点検修理のため獅子から降りるてはいるのだけれど今まで一般公開はしていなかったんだって。今回1300年祭のタイミングで県から要請されての公開らしい。
いつもはぐーんと見上げる文殊様が目線の先ちょっと上にいらっしゃいます。その代わり文殊様の後ろにいる獅子のキュートな顔がちらっとしか見えません。よーく見ると細かい装飾の色彩が残ってる。暗いのでポスターの写真ほどはっきりとは見えないのが残念。珍しいお姿だけれども、もともと獅子に乗ってバランスの良い半跏像なのでやはり獅子の上のほうがしっくりぴったりくる。
続きの間には全干支の守り本尊がいらっしゃいます。様式も大きさもバラバラなのでどこかの待合室のようにも見えますね。
駐車場のお土産屋さんには噛めパンをもじった亀パンが名物として売られてた。噛めば噛むほどなんとかっていう由来があるんだって。で形状は亀。気になったものの購入せず。

聖林寺


せっかくここまで来たからにはと、車で数分のところにある聖林寺へ。道が細いため駐車場からえらい急な坂道を登ります(短いけどね)。真夏はなかなかつらい。
聖林寺は山ろくにあるのでとても見晴らしが良いのです。本堂から見下ろす奈良の田舎の風景がのどかでいいんだけど、惜しむらくは十一面観音の保管庫(←あえてこう呼ぼう)が四方がっちりコンクリートで固められていてこの穏やかな風景から遮断されてしまってる。とてもとても珍妙な真っ白に塗られた石造りの巨大お地蔵様が鎮座している本堂にこの十一面観音像があったらさぞかし気持ちよいだろうなー。
階段を上ったところに国宝十一面観音像がいらっしゃいます。手足が長く腰の細いすらっとしたプロポーションの仏像で身体だけ見るととても優雅。ただ顔立ちがお顔の傷のせいもあって威厳に満ちあふれているので優しいというよりは近寄り難い空気をまとってます。今回はその空気をとても心地よく感じました。暑い時には甘口仏像よりこのくらい厳しいほうが良いのかも。

奈良市内へ

普段は24号線で奈良へ向かうのだけれど今回は天理を通る169号線を通ってみた。いつもと違う風景だわ〜。このあたりは古墳が多いのね。まあ奈良はどこ行っても古墳いっぱいだけど。
ちょうど県庁のところに出るのでいつもの駐車場へ直行。さすがに平日だけあって空いてるわあ。国立博物館の目の前にも1日1000円の駐車場があったのを後から発見。いつも混んでるからそっち方面にいれようという気がまったく無かった。

奈良国立博物館『仏像修理100年』


仏像修理の歴史と変遷を、実際に修復された仏像やレプリカ、修復の過程のモデルや修理図などを使って説明がしてあった。
神奈川・円応寺の初江王坐像は初めて見た。主に西日本の仏像群をメインに見てるので東日本の仏像には疎い。飛鳥・白鳳の塑像や鋳造仏が好きとか言ってれば疎くもなるわ。鎌倉時代の作品だということだけれども、表情や衣文の表現がとてもアニメっぽい。特に衣文が動いてるわーって印象。たまには毛色の違う作品を見るのもいいわね。
近代仏像修理の祖というべき方(新納忠之介)の資料を見てたら続きで西村公朝氏のメモ帳などもあり、ちょっとしたことだけれども歴史の繋がりを感じる展示だった。
東大寺南大門の金剛力士像の修理プロジェクトに関しては何度もテレビで詳細を見ているものの実際の大きさには毎度圧倒される。足先や手といった断片だけみてもその巨大なことといったら!下から見上げることを意識した絶妙なバランス感覚に運慶の才能を感じざるを得ない。かっけーー。
復元された色彩豊かな阿修羅像。昔は侘び寂び重視というか古びた仏像こそが素晴らしいと思っていたけれど、最近は煌びやかで華やかな当時の様子を再現した仏像もいいなと思うようになった。天平文化に興味を持ち出すと、朱色や青が当たり前になってくる。
最後に数種類の木で作った仏像がおいてあり抱きしめて香りをかぐことが出来た。木の種類によって香りが全然違う。仏像を香りで楽しむという感覚がまったく無かったので面白い体験だった。

至宝の仏像

東大寺法華堂の金剛力士立像が特別展示です。
法華堂内では暗いうえに仏像密集地帯なので当然全方向からの景色なぞ望めるわけもなく、今回の展示で初めて背中や横顔を間近で見ることが出来た。奈良時代ならではの脱活乾漆像です。若干棒立ちで動きの硬い表現がむしろ好きです。暗い中に安置され続けていたおかげで装飾が比較的綺麗に残っているので、当時の様式が垣間見れますよ。各所に残る様々な文様をちゃんと目視確認できました。金剛力士像というと南大門に代表されるいかにもな力士を思い浮かべがちだけれども、ここのは煌びやかな甲冑を身に着けた異国情緒たっぷりなお姿で四天王に近い。
仏像館の中央ホールには十一面観音が集められてた。こうやって一同に介すとさすが美仏の代表格、壮観な眺めでした。

現代美術のように単純化された造形がとても印象的だった木造男女神坐像。

途中休憩


地下にある葉風泰夢は毎回必ず寄ってしまう。そして外で何か食べるという選択肢もあるというのに時間節約&結構おいしいということもあってほぼここでランチを済ましてしまう。今日はコーヒー&ケーキで休憩。




外に出たら博物館前の池が鹿の大密集地帯と化してた。バンビやら立派な角の牡鹿やらがのんびりくつろぎ中。奈良はこういうもんだと思って普通に写真撮ってるけど、奈良以外でこんな光景みたら心底びっくりして近づけないだろうなあ。なんで奈良だと平気なんだろう。
鹿せんべい売り場に顔を突っ込む牡鹿。自然すぎ。

光と灯りのフェア


イトーヨーカドーに車を置いて平城宮跡へ向かう。同じ目的で歩いてる人がちらほらいたので後をついていく。毎年のように奈良に来てるのに平城宮跡は初めてです。まあ普段行く必要がないからねえ。
復元された羅生門前で記念撮影。この大きさにこの派手な色彩は無条件でグッときますね。いまいち何が行われるのかわからないままま行ったものの、これは結構な人出です。そこここに光のインスタレーションやアートワークが設置されてました。

しかしどんな凝った作品よりも大極殿前の量勝負なろうそくライトアップが一番強烈な印象を与えてました。ちょうど光の天平行列なるものが通っていったけれど、まあそれなりな感じで。一般公募の参加者の皆さんのほうがイベント感高かったんじゃなかろうか。見てるほうはいまいちよくわかんなかった。
さくさくっと歩いて一周したところで雷&雨が降り出して大慌てで駐車場へ戻る。その後大雨になったみたいだから間一髪セーフだった。

8時半過ぎに奈良出発。12時前には帰宅できてたような…?