ワシントンナショナルギャラリー展@新国立美術館

入ってすぐコローとクールベが1点ずつ。クールベの洞窟の絵はちょっとベルギー象徴派っぽくもあって割りと印象に残った。
続いてマネの作品群。黒が目に飛び込んでくる。マネの絵は強い意志とドラマがあって良いです。
オペラ座の仮面舞踏会』は黒の中、左に集中している色彩が鮮やかでドラマティックです。
珍しく牡蠣を描いた静物画や犬の絵などもあり。牡蠣の絵は奥様にキッチンに飾る絵をねだられてささっと描いたものらしいのですが、単純な筆で見事な牡蠣が出来上がってました。カフェに佇む女性の薄いピンクのドレスと手に持つタバコのコントラストが退廃的でかっこよい。
ピサロドガを経てモネの間へ。モネはそれほどピンとくる画家ではないものの、モネの絵が並ぶと動きを感じました。ある一瞬を切り取った絵というよりは流れる時間を描いた絵というか、人にしても雲にしても水にしても動いてるなーって素直に思えました。光がきらきら輝いてるのもいいですね。
ベルト・モリゾ、メアリー・カサットといった女流画家の作品もいくつか。
ルノワールが一面に展示された一角はぱーっと華やか柔らか。作品を追って部屋を渡っているとこういう違いが如実にわかってよい。
版画や水彩画のコーナーではマネの一見水墨画かと見まごうきゅうりの絵とセザンヌの葉っぱの絵が良かったですねえ。やはり私は日本人。余白を味わう余韻のある作品が好きです。
今回ドキっとするほど良かったのはセザンヌセザンヌといえばオレンジと青の山かりんごのイメージが強く、キュビズムに影響を与えたとか言われてもピンときてなかったのですが、今回初めてなーるーほーどーーって腑に落ちました。