髑髏上の七人@青山劇場

3回目の髑髏。大阪ではまだまだ若手全員が自分のことをやるのに精いっぱいだったのが回を重ねるにつれてカンパニーとしてのアンサンブルが出来上がってきた気がしました。
数日前に見た印象とまた変わったのでいのうえさんは日々演出プランに手を入れて試行錯誤している最中かなーとも思いました。

今日は天魔王が蘭丸を殺そうとする場面で蘭丸が斬りつけられて倒れた衝撃で太一君のかつらが飛んでしまいました。一瞬客席がざわつき笑いすら漏れそうになり、ああこんないい場面で!!ってこちらも固唾をのんだのですが、ふと気づくと太一君が羽二重取って地毛になって倒れているではないですか。一瞬のうちの羽二重をとるという判断を取った太一君ブラボー!!
おかげで客席もそのままの空気で見続けることができました。しかも地毛がさらっさらでその後の立ち回りやらリンドウの銃撃を身に受ける場面やらでなびく髪が美しさと切なさすら醸し出しておりました。思わぬハプニングでしたがいい物見たわー。

ハプニングといえば天魔王の鎧を着せられた捨之助が兵庫たちと対峙する場面で、まだサギリが気づくか気づかないかくらいで仮面が落ちちゃって小栗君の顔が丸見え。あ、ばれちゃうよーってこっちがドキドキした。できるだけ下を向いて見えないようにしていたけれど、初見のみほっちは捨だってわかるじゃんって不思議に思ったみたい。そりゃそーだ。

未來君は16日はあのふざけておどけた感じを抑えてたように思えたのですが、今日はわりとはっきりおどけた部分を全面に出してました。今回の天魔王は本当にお子ちゃまですね。ひとりぼっちのジャイアン。さびしい子だなーって思います。

小栗君はがばっと足を開いて啖呵斬るような演出が多いのですが、今まで蜷川さんあたりに出てて決め台詞を言ったりすることに慣れていない小栗君のために、言いやすいようにこういう演出にしたのかなーって思いました。

今までは捨が突出してて兵庫がサポでってイメージの七人だったのが、今回は捨が七人に紛れてますね。そして私の眼には太夫が引っ張ってるように見えました。だって小池太夫すごい男らしくてかっこいいんだもの。

あ、あと太夫が実は蘭兵衛にほのかな恋心というのをみほっちから聞いてびっくりしました。私はてっきりあれは兵庫のことかと思ってましたよ……