京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)

陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) (講談社ノベルス)

うーん、どうだろう.相変わらずの長編ですが、それにしても時間がかかった.今まではどんなに長くても読み始めたら止まらないからあっという間に読み終わってたのに、今回は進みが遅かった.行き帰りの電車でしか読んでなくて、それで我慢できちゃったもん.家で本を開く気にならなかった京極堂シリーズは今回が初めてだなあ.
うっとおしい関口中心かつ儒教がどうのこうのとあまり興味の持てない話が8割がた占めてたのが原因か.榎木津なんて何のために出てきたのかさっぱりわかんないし、京極堂の登場もとってつけた感あり.事件そのものの謎にも登場人物にもピンとこないままアレヨアレヨと話が進み、カタルシスのないままぼんやり終わってしまった.残念だー.
多分わたしが京極堂シリーズに求めてるものと作者が提示し始めてるものが違ってきてるんだろうなあ.このシリーズは歌舞伎みたいにキャラ立ちでもってる部分が多いのが好きだったのに、そういう筋立てになってなかったのが不満だわ.