月影十番勝負第八番『ダブルアルバム』@スペースゼロ

作:永井愛 演出:木野花

高田聖子 内田春菊 大森博

永井愛は女同士の憎しみと愛情の微妙な揺れを描くのが上手い.『萩家の三姉妹』に続きここでも姉妹間の確執を扱っていて、どちらも姉妹であるが故の遠慮のなさや、それでも相手を切り捨ててしまえない愛情を緩急つけて表現してて、事の大小はさておきこういうことってあるよなあって納得しながら見てた.


新感線のおぽんち路線の高田さんを予想してたら、あにはからんや、本格的なシリアス女優演技を見せてもらえました.母親と娘の一人二役をきっちり演じ分けてるあたりはさすが.初見の内田春菊のほうは、台詞まわしがやはりプロとまでは言えず、いっぱいいっぱいな感じが伝わってきて最初はかなりきつかった.まあでも役柄的に痛々しい雰囲気は必要以上に伝わってきたからあれはあれでいいのか.シリアスな女同士の戦いの中にふっと笑いを運んできてくれる大森さんがかなり良かった.