『法王庁の避妊法』

西牟田さんが出てるし勝村さんも出てるし、最後までチケット取るか迷った芝居なのでテレビでとはいえ見られたのが嬉しい.

オギノ式で有名な荻野久作を描いた作品.実際の患者を毎日診ながらの研究だからこそ、諦めることなく研究が続けれたらのかな.妊娠できなくて一人前の嫁じゃないと悩む女性、もうこれ以上育てられないというのに妊娠してしまい堕胎をしようとする女性、自分が生まれたことにより母親の一生を台無しにしたと思い生まれてこなければ良かったと悩む女性などに囲まれて、自分の研究が少しでも役に立てばと必死に研究に没頭する荻野と、彼を支える妻や同僚の関係が優しく描かれていた.

子供は神様からの授かり者とする考え方から、排卵日を計算して妊娠するという人の生死を人の手で操ることへの反発を覚えるのもわかる.でも「今までは、自由に選べないために女性たちは苦しんできました。これからは選べるが故に悩まなくてはならないんです。それは苦しいかもしれないが、進化した悩みです。確実に一歩進んだ偉大な悩みです。あなたは選べるということを悩むことになった世界で初めての女性なんです」という三上さん演じる高見医師の台詞は、全ての女性にとって力強い言葉だと思う.

勝村さん、西牟田さん、三上さんもちろん、久作の妻の稲森いずみ不妊に悩む嫁を演じた持田真樹も役にぴったりでバランスの取れたキャスティングだった.