児雷也豪傑譚話@御園座

児雷也          尾上菊之助
高砂勇美之助       尾上菊五郎
大蛇丸改メ月影弾正照秀  尾上松緑
綱手           市川亀治郎
あやめ          中村芝雀

今回の帰省の目的、『児雷也豪傑譚話』を見に御園座へ.

わざわざ名古屋まで見に来て良かった!!おもしろーい!

最近の国立劇場といい菊五郎劇団は新しく作品を作り直すのが上手いなあ.菊ちゃんはかっこよくて文句なし.久しぶりの立ち役は最近の女形の時より化粧の仕方がいいのかとにかく綺麗だった.でも一番凄かったのは2幕の菊五郎さん.俳優祭に出ないから変わりにこっちでやったのかと思うくらいのはじけっぷり.物凄い山形眉毛にじゃらじゃらアクセサリー、メッシュの髪に大きなリボンもまぶしい変形着物という成金マダムな姿で、三味線のボレロにのって登場.どう見てもギャルな茶髪でお水風メークな松也君も可愛らしい.変装した菊ちゃんが旦那を色気攻撃で騙している横で、なぜかヨガのエクササイズしてる菊五郎マダムと松也ギャル.あまりのインパクトに話の筋がちっとも頭に入ってこない!この場面を筆頭に笑えるシーン満載でどうしようかと思った.

1幕目はスペクタクルシーンの連続.菊ちゃんは花道引っ込みに始まり、最後は巨大カエルの中から鷲に乗って登場し、そのまま宙吊りで3階席に消えていった.鷲に乗ったままの見得もかっこよかった〜!菊ちゃん、松緑亀治郎それぞれがカエル、蛇、なめくじの妖力を持つという設定で、なんともリアルな着ぐるみ達が登場.カエルフォビアの私にとって等身大のカエルのリアルさは鳥肌ものの強烈さ.やーめーてー.見た目だけでなく動きがまたリアル.まあ空気で飛ぶカエルのおもちゃみたいな動きをされた時にはさすがに笑ったけどね.蛇ににらまれたカエルを助けにナメクジ登場.このナメクジも相当きてた.ピカーッと赤く光る目に蛇がすごすご逃亡.とぐろを巻いたまま動くのは相当大変そうだった.蛇が逃げたと思ったら、今度は全長3メートル以上はありそうな巨大カエルが登場.ギャーッ!っと目をそむけたものの、すぐに中から綺麗な菊ちゃんが登場したので、一転ホーッとため息.素敵〜.

2幕目は菊五郎さんの独擅場.バカバカしくて楽しい!初日開けて2日目でこれだったら楽の頃はどうなっちゃってるんだろう.菊五郎さんはこういうおちゃらけが本当によく似合う稀有な人間国宝だ.

3幕目でようやく芝雀さんに萬次郎さんが登場.血を飲むと病気が治るというお約束シーンでぐっすり眠くなってしまった.義太夫は鬼門だのぉ.しかし、わざと色ボケ装って自分を斬らせ血を飲ませて助けるシーンは菊五郎さんの玉手のほうが数倍良かったな.芝雀さんだとせっかくの犠牲に泣けないんだもん.

場面変わって伝説の剣探しでは、太鼓のリズムにあわせて真っ赤な衣装をつけた3階さんが踊り狂う様はまるでコンテンポラリーダンスのようだった.一工夫も二工夫もある立ち回りは変化があって楽しい.花形歌舞伎ということもあって中心の役者がみな若いから立ち回りも遠慮なく派手だった.亀治郎は良い女形だと思うけど、あの扮装のせいか遠目から見ると女に見えなかった.新ちゃん菊ちゃんの美形ペアが好きだけど、さすがにこのペアだと菊ちゃんが女形やらざるを得ないし、菊ちゃんが立役の時に見た目ぴったりの女形って誰がいるだろう.勘太郎君もねえ、上手いんだけど見た目が怖い.七之助くんは苦手だし、これはもう松也君の成長を待つしかないか.

今日が写真撮影日だったので当然舞台写真は無し.最近自重して買わないようにしてたのに今月はダメだ.このかっこいい菊ちゃんとおもしろい菊五郎さんは絶対保存版だよ.妹に写真だけ買いにいってもらおう.これ歌舞伎座でもやってくれないかなあ.歌舞伎座無理ならせめて国立で.東京でやってたら絶対リピートしちゃうよ.それくらいおもしろかった!大満足〜♪