日本総合悲劇協会『ドライブイン・カリフォルニア』@本多劇場 

作・演出 松尾スズキ
小日向文世秋山菜津子片桐はいり小池栄子猫背椿村杉蝉之介田村たがめ荒川良々、大塚辰哉、松尾スズキ田口トモロヲ仲村トオル

下北に移動して松尾流悲劇を観劇.今日は一般で取ったチケットだというのになぜか1列目.お芝居の1列目って特別役者の顔でも見たいんでもない限り意味ないんだよなあ.利点は足が伸ばせて楽チンなことか.


で、今回のお芝居、ニッソーヒだっていうからもっとドロドロしたのを想像してたら普通の大人計画公演よりもいい話でびっくりだ.前回の『業音』がかなりキタからさあ、覚悟してたのに、竹林に星屑のような明かりまでちらついちゃって、なんだか清々しい気分にすらなった.今回再演ってことはかなり前にこの脚本は出来てたんだよね.松尾さんの優しい部分が比較的ストレートに出てる作品だった.なんだかんだといって登場人物全員に優しい脚本だったんだもん.


大人計画系の芝居で「こりゃダメだ」と思う役者はいつもいないけど、今回もそれぞれがはまってて良かった.唯一どうかなあってのは田口トモロヲか.上手く言えないけど演技のトーンが浮いてたかなあ.同じ浮いてるにしても中村トオルはいい意味で浮いてて、っていうか全然違ってるからこそのおかしみがあって良かった.熊沢パンキースの時の田苗誠一みたいなもんか.あれもいい感じに浮いてて良かったもん.逆に同じテレビ系の人でも小池栄子は松尾色にやけに馴染んでた.


秋山奈津子と片桐はいりは最早松尾ワールドにはなくてはならない女優になってませんか.秋山さんはいつ見ても惚れ惚れする.かっこいいなあ.はいりさんは目の前で見るとインパクトありすぎでストーリーが吹っ飛びます.


一番笑いをもってってたのは中村トオルじゃないですかね.本人なんで笑われてるのかわからなそうなところが更におもしろかった.や、かっこよかったっす.


今回予想外に良かったのが蝉之介.今回に限っては良々君より印象に残ったよ.良々君も不思議キャラ一歩脱出って感じで良かった.


そうそう、冒頭の松尾さんがやけに小綺麗で松尾さんに見えなかったことを告白しておこう.ヨン様なんて言ってる場合じゃないぞ.日本にはそっくりな松尾スズキがいるじゃないか.


終演後は別口でチケット取ってたHさんと合流してericafeにてしばしお喋り.Hさんも中村トオルの印象が良かったみたい.欲を言えばやっぱり全体のバランスが見られる10列目以降で見たかったなあ.