第25回『誕生!新選組』

鴨暗殺回.ようやく鴨が死にました.長かった…
ここのところ毎回平均以上に面白い.が前回新見切腹のほうが緊迫感あったのでは.今回はやる方もやられる方も表面上は取り繕っていても内心わかってることだったから、お約束の展開をなぞる感じだった.前回は新見切腹に持っていく過程をドキドキしながら見守ったけど、今回は活劇っぽかったな.こういうののほうが本来の時代劇に近いのかもしれない.
鴨メインのはずなのに印象に残るのが原田に斎藤っていうのは作りとして成功なのかという問題はおいておいて、まさか瓢箪に躓くとは思いませんでした.史実どおり文机じゃいけなかったの?最後まで酒で自滅したというメタファー?
お梅さんは一緒に殺されたんじゃなくて自殺ってことにしたのね.最後のアップは今までで一番綺麗だった.自分の刀で好きな人が死んじゃうなんて、沖田にとっては二重の衝撃だ.三谷さんも酷なことをさせる.惜しむらくは沖田が「自分が芹沢を斬らなくちゃ」とまで思う過程の描写がほとんどなかったこと.ここまでわりと時間をかけて鴨と沖田の関係を描いてきたのに最後ははしょっちゃったのね.
暗殺シーンでは、あっさり斬っちゃう原田とどうしても殺せない山南という2人の違いが明確に出てた.原田、今まで反射的に「斬っちゃえ」って言ってたわけじゃなかったんだ.ビラ配りの時の「生きるためになんでもしてきた」って台詞が効いてくるねえ.実際鴨の暗殺より外での原田&山南組のほうがより強く印象に残った.これって自分があまり鴨に思い入れがないからかなあ.
紅葉に溶け込んでる斎藤は笑うところですか.せっかく鴨と梅がしんみりいい話してるのに、斎藤の立ち位置がおもしろすぎて集中できなかった.思案顔の斎藤が映るたびにおかしくてしょうがないのは私だけ?
土方&山南の副長コンビは相変わらず結託して近藤を言いくるめてるけど、結局山南さんは土方ほど非情に徹することができないのね.いざという時に弱気になるという山南の設定はずーっと続いてるわけか.一方の土方は目的が定まってまさに猪突猛進状態.「正直な男ですよ」なんてどの口で言うか.とはいえ鴨にとどめを刺した後の表情は思い切り動揺してて、まだまだ思考と行動が一致しきってない様子が伺えた.っていうか鴨暗殺シーンの山本君は前髪がいつもの倍になって、いつもの倍可愛くなっちゃってた.隣で「幼い!幼い!」って妹が叫んでるし.確かに今までに無い表情だったよね.
近藤は「鬼になった」などと言ってますが、本当になってくれるのか心配でなりません.毎回何かしらイライラさせる言動をとる近藤ですが、今回は鴨に暗殺計画をばらそうとしてましたよ!ありえなーい.だってさ、一応近藤って上司にあたるわけでしょ?鴨に同情する前にまず部下のことを考えろ.あんたの部下達は命かけて計画を実行しようとしてるんだよ.それなのに相手に情報漏らしてどうするよ.部下たちの行動が卑怯で許せないっていうなら、裏で告げ口しようとしないでどんなことをしても止めるべきでしょう.鴨の「鬼になれ」と言う言葉を免罪符にしないと決心すらできないように見えてしまった.そう考えると実は一番汚いのは近藤かもなあ.口ではいつもまっすぐなことを言うわりにちゃんと責任回避してるし.しかもそれが無意識っぽいところがまたタチが悪い.
ネタバレは極力避けてるけど、どうやら建白書も近藤に対してでなく土方に対するものになるらしい.まじですか.そこまで近藤を美化する必要がどこにあるのかさっぱりわからない.まあ、鴨亡き後は土方が悪役になるらしいので、近藤と土方の対立が深まっていくのでしょう.今の時点で既に多摩時代の友情がさっぱり感じられなくなってるけどさー.多摩のあの蜜月時代で二人の友情は永遠だと常に補完しながら見ろっていうことですかね.今の時点だと土方は近藤を上に置くことで自分の理想の組織を作ろうとしているように見えるし、近藤は土方のやることなすこと気に入らないようにしか見えない.