俳優祭

今回は音羽屋&成田屋両家が出ないということでチケット争奪戦に参戦すらしなかったのに、いつもよりおもしろいじゃん!しかも両家とも映像出演してるし!


映像と舞台の融合という勘九郎さんの企画は、よくまあ忙しいスケジュールの役者たちでこれだけのものを作ったなあって感心した.スーツ姿の菊ちゃん、出るだけで笑いが漏れる左団次さん、やけにはじけた芝雀さんといろいろ見せ場はあったものの、一番は団十郎さんと菊五郎さんの幼馴染トークでしょう.二人とも段取りどおりが見え見えなのがおもしろすぎ.玉さんの男装(ついそう言いたくなる)や仁左さんの白衣姿にはうっとり.三津五郎さんはここのところの俳優祭では大活躍です.というか一番無理を頼みやすい人なんじゃなかろうか.毎回歌舞伎ではかなり流行ネタを盛り込んでくるから、今回もきっと商品名やらの問題でカットされたところが多々ありそう.完全版を見てみたい.あと出切れば初登場の時に俳優名を出して欲しかった.さすがに三階さんまではわかんないよ.
安宅関のパロディはいつものノリでした.でもいつもより寒いネタが少なかったし段取りも良かった.今回の目玉は誰がなんといっても扇雀のスカーレットしかない!福助なら驚きゃしないけどまさか扇雀があそこまでやるとは予想だにしなかった.しかもスカーレット笑えるだけでなく何気に綺麗なところがおそろしい.もともとあのお家はお父様からして可愛らしいからなあ.いつもその場をかっさらう菊五郎さんが出ないから今年はどうするんだと思ったら意外なところに伏兵が潜んでた(菊五郎さん自身は俳優祭に出ない分、春の御園座でやりたい放題やってましたが…).翫雀も頑張ってたし今年は関西成駒屋Yearか.
福助の懐かしいオスカルも健在.この人はこういうのをやるとほーんと生き生きしてて素敵です.弥十郎さんのすらっとしたバトラーも玉太郎の甘い顔立ちが映える踊る男Sも、この組はみんな良かった.白波五人男になぞらえた口上に会場が沸く気持ちもわかるわー.
勘太郎七之助兄弟に獅堂に松也君に、えーっとあと一人はどなたの息子さんでしたか.うっ、ド忘れしてしまった.その5人は気志團SMAPを披露.やけに白スーツが似合ってた松也君が可愛いかった.勘太郎ちゃんは気志團とはいえさすがに踊りが上手いねー.
ゴスペル組では金髪カツラがナチュラルに似合ってる團蔵さんも凄いけど、どっから見ても完璧に酔っ払ってる松緑が凄かった.
浅草パラダイストリオは豪華な取り合わせでお客さんもさぞ喜んだことでしょう.藤山直美はさすがです.でもそんな豪華なメンバーが吹っ飛んでしまったのが突然の海老蔵登場.先輩方に可愛がられてるって雰囲気がしてて良かった.芸を披露しないと通さないっていう設定上、なにかしなくちゃいけなくなった海老蔵ですが、せっかく仁左さんが「まあまあ」ってとりなしてくれたのに客の方が許しません.そりゃ出てきちゃったら何かやらざるをえないでしょう.素顔のにらみを見せてくれました.お客さん、うらやましいぞ!