第33回『友の死』

もっとグタグタになるかと思ったけど、意外と冷静に見れました.で45分間ここまで集中して見なくちゃいけないドラマもそうそうあるもんじゃない.ここまで登場人物に愛着がわいてしまうのも1年かけて描いてくれる大河ならではなんだろう(武蔵は最後まで誰にも愛着わかなかったけどナー).逆にこれが1年で終わってしまうのが残念でならない.みんなの最期までちゃんと見たい.
閑話休題
冒頭で沖田君の「もうーなんで出てきちゃうんだよ」って表情で既にきたというのに、その後は比較的大丈夫だった.
今日の涙腺直撃ポイントは

  1. 明里の「うち、それほどアホやないもん」

これはやばい.このシーンはまずい.さすがにここではリアル涙が出てきた.なんて強くて優しい女性なんだ.自分だって辛いだろうに最後まで笑顔でいるなんてなかなか出来ることじゃない.この場にいたのが誠実そうな山崎というのも良かった.

  1. 「うるせーんだよ、てめーら.一緒に腹斬りてーのか」と一括する土方

.山南総長を助けて欲しいと嘆願する松原・河合・尾関に向かって怒鳴るこのシーンが今回のNo.1シーンです.あの顔は凄い.あんなに怒鳴ってるのに泣いてるようにしか見えない.ほんとは自分が一番言いたい言葉なのに言えない辛さで一杯だった.山本君、すごいっす.

  1. 「沖田くーん、ここだ」と呼び止める山南と見つけてしまった沖田の表情

心を決めて穏やかな表情の山南さんと「なんでなんだよ」って絶望的な表情の沖田がたまんなかった.



切腹シーンは順にアップになる隊士の顔が凄くて泣くどころじゃなかった.この人たち、今役越えてるでしょって本気で思ったもん.大切な友人が目の前でこれから死んでいくのを見守るって並大抵のことじゃないよ.試衛館メンバーの表情ときたら演技の枠を超えてた.特にぐっと涙をこらえる局長と副長には鬼気迫るものがあった.
壬生に戻ってきてしまった山南をみんなが逃がそうするんだよね.全員が悲壮な顔をしてる中で山南だけが悟りきったような澄んだ目をしているのが対照的だった.こんな顔をしてたらそりゃ逃げないわなあ.
局長も襖を開けて逃がそうとする、永倉&原田も見張りの島田を追っ払って逃がそうとする、源さんもお弁当持たせて逃がそうとする、なのに全部山南さんはピシッと襖をしめて拒絶する.覚悟が出来てたというのはもちろん、山南なりの最後の我がままでもあったのかな.
既に覚悟を決めてしまった山南なだけに山南の死そのものにはそれほどズキンとはこなかった.この場合残された方が辛いでしょ.必死で助けようとする幹部たち、じっと見守るしかない幹部たち、黙って笑って見送る明里、もう皆が痛々しくてそっちが辛かった.
特に土方は最初から泣いてる風にしか見えなかった.今回はとにかく土方が映るたびにいつ壊れるかいつ壊れるかってはらはらしてしまった.神経張り詰めてギリギリのとこで踏みとどまってる危うさがあって見てるこっちが辛い.八木さんにしたって、もうこれ以上土方に辛い言葉を言わせないでって思ってしまった.最後に山南を訪ねるのが土方だというのもこれまでの2人の関係を思うと当然か.「君は正しかった」って言われた時の土方の表情も今まで見たことのないものだった.こんなこと最期に言われちゃったら余計に無念の気持ちが強まっちゃうでしょ.凄い重いものを背負っちゃったんだ.そりゃもう後戻りはできないよなー.最後の号泣は多摩のかっちゃんとトシだった.初期の頃のいつもトシを引っ張っていたかっちゃんがいた.
香取君も今日は文句なし.一つ一つの表情も台詞も近藤のものだった.

  • 土方と山南の信頼を語るのがいつも黙ってる斎藤だった.びっくり.この人はいつもいないと思ったところにいるから驚くね.回想シーンの立回りがやけにかっこよかった.ただあの手を取るシーンはベタ過ぎで照れた.
  • このドラマは沖田は芹沢や梅に続いて自分の好きな人を手にかけたことになる.よく頑張ったね.
  • 谷原伊東が相変わらずいい.最後の和歌も空気読めよって突っ込みいれたけど、本人に悪気はなさげだった.
  • 河合に死亡フラグが立ってしまいました.こんな回だというのに大倉君を見ると笑ってしまう業の深さよ…
  • カンリュウサイ、背が伸びるという土方の言葉にピクッと反応してる姿を見ると憎めない.
  • そろそろぐっさんの本職俳優でないというマイナス面が出てきてるような気がする.目を開いておちょぼ口にしてる表情しか浮かばんよ.対して、山本太郎の原田はいいねえ.今日の涙も良かった.