京極夏彦『続巷説百物語』

続巷説百物語 (文芸シリーズ)

続巷説百物語 (文芸シリーズ)

シリーズ第1段の『巷説百物語』を読んだ記憶がない.なのにやけに登場人物に馴染みがあったのは後から思い返してみればWOWOWのドラマを見てたからだった.
一見関係のないと思われる出来事が徐々に連鎖していくという京極さんお得意の手法に絡め取られ、気持ちよーく物語りの中に入っていけた.
京極夏彦の作品では文句なく京極堂シリーズが一番好きなんだけど、たまにあまりのケレンミについていけなくなることも多い.ちなみにシリーズ物でなければ『嗤う伊右衛門』が好き.
こちらのシリーズの方が肩の力が抜けていて良くも悪くも一般受けしやすいタイプのように思う.
時代劇特有の「お殿様と下々のもの」というわかりやすい上下関係や人情風味を取り入れ、まるで必殺仕事人のような謎の仕掛け人が次々に登場するというヒーロー風味で仕上げたわかりやすさがいい.
終盤は百介に関口君が被って多少ウザくもあったが、総じておもしろく読めた.
早速『巷説百物語』の文庫を買ってきた.シリーズ第3段も読みたい.
そうこうしてるうちに榎木津番外物の第2段のノベルズも出てるじゃん.
うわー、ついていけてない.