新選組プロジェクト#4 わが青春の新選組2〜栗塚・島田・左右田、黄金の三人〜

往年の新選組役者のインタビューでした.
今回は常連の栗塚さんに加え島田さんが登場.他の方と違い新選組の役について非常に客観的に捉えてらっしゃるように思えた.
そして島田さん、左右田さんのお2人ともが戦争世代と新選組との共通点をあげていた.どう頑張っても私たちの世代ではそういうシンパシーは感じられないし、そういう認識があるということを実感としてわかっていなかった.

  • 島田順司インタビュー

新選組について】
戦争をかじった世代と新選組との青春という響きに対する共通点。
何かをやりとげたい、夢を実現したいという第二次世界大戦の頃の青春のあり方といったものが新選組の中の若い俳優達に体現できる質が残っていた。
東京に出て一旗あげる=若い世代が京に上って京に出て一旗上げるという意味で作品の背景と実生活が非常にフィットしていた。
【今の時代劇に対する苦言】
「つまらないです」とバッサリ.
勧善懲悪は時代劇のパターンではあるものの勧善懲悪がはっきりしすぎていて殺される者死んでいく者の悲しさ寂しさとか、若々しさといったものが薄らいでいるのがつまらなくしている。
もう少し普通の感じ、当時は普通の人達の世界、当時の普通の人達の世界を創造できるようにすればもう少しよくなるんじゃないか。

左右田一平インタビュー

僕らの世代はある程度軍国主義の影響を受けている。
そういう点でああいう封建時代に生きた人間を今の人達よりは理解しやすかったと思う。集団の規律や、近藤さんが言ったことや隊長の命令をきちっと受け止めるとか、演技ではなく僕らにはそういう下地があった.それが理解しやすいというか演じやすかった一つの要素という気がする。
男の集団における極限状態の心理を非常に上手く描いた脚本だった。
今の自由に育った人達にはああいう集団は理解できないんじゃないか.

また結束さんの脚本については

非常にきめ細かく本ができているのでどう演じようとかではなく本の忠実にやっていればちゃんと出来上がった(左右田)
原作も読んだけれども台本から得るものの法が多かった(栗塚)

話を聞いていると、脚本によるキャラクターの確立だとか「普通の若者を描く」とか、今回の三谷脚本の『新選組!』に通じることも多いように思えた.
こういう感覚を持つ栗塚さんや島田さんはきっと三谷新選組にも喜んで出演していただけたんじゃないかなあ.