新選組プロジェクト#16 里中満智子が語る新選組

さすが里中満智子、創作するという立場からみた歴史というものをわかりやすく語ってくれてました.「顔がちがーう!」と写真を叩きつけた安野モヨコとは違います(安野モヨコの土方観自体は非常に独特でおもしろかったので誤解なきよう!)
でも里中満智子は絵柄が苦手で、NHKで放送される本人が出演するシンポジウムなんかはよく見るけれど、肝心の作品はほとんど読んでないや.

新選組は結局都合よく使われただけ.が、都合よく使われたにしては、彼らはあまりにもわかりやすい純粋さを持っていたことがある種の郷愁を掻き立てるのではないか.あの時代に局中法度を本気で守ろうとしたといのは普通ではなかなか出来ないことで、何もそこまでしなくてもという物凄い内容なんだけれども、それを本気で守ろうとして本気でやってしまったというところに、必死で、本当に必死で武士たらんとした切なさがにじみ出ている.

新選組とは『形骸化し、今もはや実体のないものをあると信じて、あると信じた理想の形に添って生きようとした非常に稀有な集団』であり、そして、そんな稀有な集団を何故維持できたかに興味がひかれるとのことです.


時代物を書くときに心しないといけないと思っていることは

どの立場の人でも生きている時は一生懸命なのだから偏ったものの見方をしてはいけない.
どの人を書くときもちょっとでもいいから、その人なりの「自分はだからこうするんだ」という理由付けが出来るような見方をしたいと思っているので、誰が悪いとか誰がいいとかっていう書き方はしたくない.だから描いちゃうとみんな言い人になってしまう.

三谷さんが『新選組!』を書くにあたって語っていることとかぶる.こういう意識のある人の作品は信用できると思う.

近藤勇に一番感動したことは

  • 京都に行ってから字がどんどん上手くなっている.それらしくあらねばならねばいけないという素直で律儀な努力の賜物.
  • 何の芸もないから口にコブシを入れる芸を披露した.そういうことをするってことが凄く可愛い.

里中さんはそのエピソードを聞いて一生懸命練習したらしい、で、コツを見つけて入りそうなところまでいったんだとか.