阿修羅上の瞳@丸の内ピカデリー

コメントに困る.見終わった後MIHOっちと「せっかく宮沢りえちゃんが出てるのに…」「宝の持ち腐れ」などとにかく「もったいない」という感想で意見の一致を見ました.
りえちゃんがすごく可愛くて綺麗で台詞回しも問題なくて、椿も阿修羅もどちらも良かっただけに、なんでこんな映画になっちゃったの?って残念でしょうがない.
だってさー、これだったら舞台のDVD上演したほうが絶対おもしろいよ.映画用に脚本がかなりリライトされていて、ほぼ出門と椿2人にのみに焦点を絞った作りになっているから、邪空がさっぱりいらない人になってた.本来邪空は対阿修羅というよりむしろ対出門に対する嫉妬や羨望に囚われていた人だと思っていたのに、映画の中ではそういう屈折した感情をまったく感じることがなかった.邪空ですらその扱いなんだから他は推してしかるべし.
特に前半はだれてだれて、ストーリー知ってる私ですらもうどうでもいいやって気分になってくるくらいつまんなかった.間延びするにもほどがある.スクリーンでは何やら思いつめた表情の人たちがあれやこれややっているけれど、「どうなっちゃうの?」っていう緊迫感がまったく伝わらないんだもん.
壊れかけた祠で出門と椿が5年前の出来事を思い出すシーンは映画ならではの表情演技が見られて良かった.最後の阿修羅との斬り合いもカット割りを細かくしたり俯瞰で撮ったりとかっこよく仕上がっていたと思う.舞台だとどうしても女優陣の殺陣に問題アリだからね、そこが上手くごまかされていて良かった.
予告に流れた狸御殿のように、この際歌あり踊りありのエンターテイメントにしたほうが良かったんじゃないの?