KERA・MAP#03『flora auf sand 砂の上の植物群』@シアターアプル

【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【キャスト】
常盤貴子 筒井道隆 西尾まり 猫背椿 池谷のぶえ 赤堀雅秋 温水洋一 渡辺いっけい

感想は後ほど.
ケラさん、今回は直球勝負できたんだな.

今日はユースケ.サンタマリアが深津絵里ちゃんと一緒に見に来てた.ちょうど隣の映画館で『交渉人 真下正義』をやってたので不思議な感じ.
片桐はいり、伊勢志摩、長塚圭史などなど他にも一杯来てた模様.

【追記】
3時間15分、終わったときには10時半.覚悟はしてたけどながっ!
でもまあ、その長さを感じさせずに見させてしまうところがさすがだ.
乗り物の事故だったり、日本に対するデモだったり、なにかと現実の社会問題を想起させるモチーフの多い作品だった.
ケラ脚本は今までにもかなりクールでシニカルな残酷さを隠してはいなかったけれども、今回ほど直球ストレートにグロを押し出したものは記憶にない.隻腕の男や未来から来たというマリィ、序盤で死んじゃった熱血男性など、突き詰めればおもしろいモチーフが有りすぎて3時間15分で収まりがつかなかった気がする.特に筒井君の宇宙人との対話は絶対後で回収されるネタだと思ったのに中途半端なまま終わっちゃった.
飛行機事故で生き残った人たちが日本からの救援もなく見知らぬ土地で生きていくというだけで、現実に集団心理の緊迫感やストレスから悲劇が起こることもあるだろうとは想像できる.ただこの芝居のあの連鎖反応的な殺人は単にそういった集団心理だけではない、個人的な感情の爆発に思えたのがどうにも見ていて痛々しかった.
ケラさんの作品は大体毎回よくわからないんだけど、今回はいつもよりひねりがなかったせいか、わかるようなわからないようなその微妙なバランスが苦手だった.珍しくケラさんは何が言いたくてこの作品を書いたんだろうって芝居を見ながら考えてしまった.そのくらいいつもと感じが違った.
松尾さんとケラさんって全然違うのに、今回はちょっと松尾さんの舞台を思い出しちゃったなー.
それでも最後のロケットにはじーんときました.


筒井君と常盤貴子メインかと思ったら、あれ?実質主役はいっけいさんと温水さんじゃん.いつ見てもいっけいさんは上手い.温水さんもあのインパクトはさすが.池谷さんも大好きです.間の取り方が抜群.猫背さんは痛い役がよく似合う.
筒井君、常盤貴子西尾まりの3人はもったいない.言い換えれば非常に贅沢に使われてた.筒井君のキャラはもっと動かせばおもしろそうだったのに、殺人の話も怪獣の話も宇宙人もどれもぶつ切りな処理をされてしまっていたのが残念.でもこの人が持ってる独特の雰囲気はいいね.
5列目で見る常盤貴子は当然のように顔が小さくて綺麗でした.舞台だからという気負いを感じない演技で良かったんだけれども、いっつもプリプリしている役だから演技の起伏がなくてそのうち飽きてしまった.もっと感情の幅のある役で見たかった.
西尾まりは台詞も出番も少なくて単純にもっと見たかった.