六月大歌舞伎 昼の部@歌舞伎座

一.信州川中島合戦 輝虎配膳

長尾輝虎:梅玉 お勝:時蔵 直江山城守:歌六 唐衣:東蔵 越路:秀太郎

二.素襖落

太郎冠者:吉右衛門 太刀持鈍太郎:歌昇 次郎冠者:玉太郎 姫御寮:魁春 大名某:富十郎

三.恋飛脚大和往来 封印切 新口村

■封印切
亀屋忠兵衛:染五郎 傾城梅川:孝太郎 槌屋治右衛門:東蔵 井筒屋おえん:秀太郎 丹波屋八右衛門:仁左衛門
■新口村
父親孫右衛門:仁左衛門 忠兵衛:染五郎 忠三郎女房:歌江 梅川:孝太郎

感想は後ほど.
【追記】
染五郎と孝太郎の『封印切』、今回は松嶋屋型で演じられてました.
なんだか盛り上がらないまま終わってしまったな.染の忠兵衛は一生懸命上方のつっころばしを演じていて悪くはないんだけど、悪くはないっていうレベルなんだなあ.
店の裏でこっそり梅川と逢引するシーンとか、仕草をなぞってるふうに見えてしまったりね.封印を切っちゃう場面みたいに感情が高ぶるところは良かったけど、じゃらじゃらしたところがまだまだこれからといった感じ.特に秀太郎さんがあまりに上手いから余計に差が目立った.
忠兵衛というと鴈治郎さんや仁左衛門さんと比較しちゃうから染五郎には分が悪いかも.でもほとんどこの2人で見てるからどうしてもあのレベルを求めてしまう.ほんとに悪くはなかったし見た目も十分合格点だし、あと10年後が楽しみです.この手のタイプをちゃんとやれる若手ってあまり知らないから、染にはできるだけ仁左さんの芸を受け継いで欲しいものです.ちなみに愛之助もよろしくお願いします.

仁左さんの八右衛門は富十郎さん休演の際に代役で演じられた時以来です.あの時は同じ代役でも『茨木』の綱には大感激して幕見に通ったけれど、八右衛門は富十郎さんのほうが好きだった.仁左さんは上方言葉も申し分なく立派に嫌味であってなんともネチネチした八右衛門だ.富十郎さんはあの口跡もあってかネチネチというよりはさっぱりした八右衛門.上方和事ということを考慮すれば仁左さんの八右衛門のほうが本来あるべき姿なんだろうけれど、さっぱり富十郎さんのほうが笑えた.

孝太郎の梅川はよくわからない.申し訳ないけれど見た目が苦手だ.封印切より新口村での黒い着物のほうが綺麗に見えたし、忠兵衛の父親を思う気づかう優しさに溢れていた.新口村のほうが印象深い.
が、新口村は仁左さんの孫右衛門にもっていかれたなー.前半八右衛門やってた人とは思えない.
今回は遠見の子役は登場しませんでした.これも松嶋屋型の特徴なの?