大人計画『キレイ -神様と待ち合わせした女-』

【作・演出】松尾スズキ
【音楽】伊藤ヨタロウ
ケガレ：鈴木蘭々
ミサ：高岡早紀
ハリコナA：阿部サダヲ
カネコキネコ：片桐はいり
ダイズ丸：橋本じゅん
マジシャン：宮藤官九郎
ジュッテン：大浦龍宇一
カネコジョージ：松尾スズキ
ダイダイカスミ：秋山菜津子
ハリコナB：岡本健一
伊藤ヨタロウ、池津祥子、伊勢志摩、顔田顔彦、宍戸美和公、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、荒川良々、井口昇、少路勇介、康本雅子、花井京乃助、江田あつし、蝦名孝一、近藤大介、羽田謙治、前田員範、森内遼、安田栄徳、山崎隆弘、大川麻里江、木村智早、桜井美紀、中尾ちひろ

4回目．今日がMy楽日でもあります．そして最前列での観劇でした．
最後の「けがれてけがれて私はキレイ」の蘭々の笑顔がまさにキレイでうっとなったけど、最前で泣いてるのはさすがに恥ずかしいのでグッと我慢した．

そうそう、今日も地震があった．ちょうどカネコ組のとこに良々君が飛び込んでくるあたり．最初は誰かのひどい貧乏ゆすりかと思ったら徐々に揺れが激しくなってちょっとだけ客席がざわついた．

感想は後ほど．

【追記】
コクーンシートを除いて比較的前方で見てはいたものの、さすがに端とはいえ1列目となると役者の動いた風まで伝わってきて、意外と動きの激しい舞台なんだということに今更ながら気づいた次第です．
しかも端席は目の前で芝居されることが多くて意外とおいしい．
ただし音が聞き取りづらい．これまで一度も台詞が聞き取れなくて困ったことはなかったのに、最前だと役者の顔の向きや音響にかなり影響されてところどころ聞き取れない台詞があった．

『キレイ』はいろんな生き方を許してくれる本当に優しい話だ．優しくて厳しい．何度もやり直そうって、それでもダメなら滅びようって、それはとても潔くて強い．最後にケガレが「選んで自由で　裸の世界」「ケガレてケガレて私はキレイ」と歌う．全てを受け入れて「私はキレイ」と笑うケガレの笑顔のなんと力強いことか．
私はこの芝居を見ると生きるってことは何もかも含めてキレイなことなんだって静かに感動する．
ひとつひとつの台詞を反芻するといろんなところでリンクしてそうなので、一度ちゃんと文字の情報を目から入れるのもいいかもしれない．

蘭々はケガレの場面でもっと明るい表情をしてくれたらいいのになあ．どうにも目が暗い．少女ミサの雰囲気をケガレの時もすごくひきずってる．だから大人ミサのほうが明るい感じに思えちゃうの．
とはいえ、これまでも比較的前方で見たから表情はちゃんと見えてたはずだけど最前だとやけにはっきり見えるから、声だけ聞くとそうでもないシーンでも蘭々がとぼけた顔してたりおどけた顔をしてるのがわかった．それが声からも伝わるといいのにね．
初演では少女ミサが大人ミサに膝枕されていたけれど、今回は逆に少女ミサに大人ミサがすがってる．だから最後の場面では少女ミサが言葉だけでなく精神的にも大人ミサをリードして包んであげてるように見えた．

キネコさんの歌の時のサダヲちゃんは相変わらず恐ろしいほどまでにキュートです．どうがんばっても目が彼から離れてくれません．その他の人物を一切無視してあの場面だけはサダヲちゃんに一点集中！あとは成人式の着物姿．これもまあなんとキュートなんでしょう．一瞬だけ袖から顔を出してくれるのも見逃したくはない．あ、でも髪を切っちゃったのかな．ちょっと短くなってたのが残念．ハリコナは長めのサラサラストレートで見たかった．

岡本君のハリコナはオカマちゃん演技に磨きがかかってた．キラキラ光る携帯はちゃんとボタンも配置されてる精巧な作りだった．岡本君はサダヲちゃんのハリコナとすごく繋がっていて、同一人物だというのが違和感なく伝わってくるので好き．

じゅんさんが恒例の不思議な動きをところどころ入れてて更にパワーアップしてた．カスミお嬢様との「ぶっとび〜」はハイタッチするだけでなくゴーゴーダンスが追加されてた．
秋山さんはもう何も言うことがありません．素敵です．

良々君の整形ネタが
　良々君「2人でお弁当屋を開こう」
　じゅんさん「…TSUTAYA?」
　良々君「違う！」
みたいなのに変わってた．

小ネタいろいろ

コインが足元に落ちてきてチラッと見たらどうやら外国のコインのようだった
マジシャンがパスネットを出すシーン、声明文をカウボーイにマジックで渡すというシーンで、声明文から同じくパスネットを出したカウボーイにクドカンがマジ笑いしてたように見えたんだけど、あれは新しく仕込んだネタか？
吐夢さんの特技ネタは洋画の宣伝ナレーション．
皆川さんの呼び出しネタはブル中野．
サーカス団で金髪カツラをかぶった女装の団員、今日は胸元に点滅するライトをかけていた．前回どうだったか覚えていないけれどあれも日替わりなんだろうか．
この間の収録日と同様、今日も最後に花の1つが上手く咲かなかった．あの1個は壊れちゃったのかな．

どうしても再演で気に入らないところ

1幕ラスト．これだけは何故歌にしたんだ！って松尾さんを問い詰めたい．直前のカスミお嬢様の台詞でかなり揺さぶられるのに、歌が始まるとなぜクマソ軍の兵隊まで一緒になって歌ってるんだとかいろんなことが気になってサーッと冷める．大人ミサが「もうけた」って言うのも好きじゃない．あそこの状況はケガレが言って欲しい．
ダイズ丸の歌．「お〜れたち〜ダイズ〜へ〜い〜♪」「ビーンズ！」の軽快な古田ダイズ丸の歌が脳裏から離れません．

カーテンコール3回．2回目はクドカンが「今日はライオネル飛鳥の誕生日です」と挨拶．
3回目は松尾さんが「今日は木村拓哉の誕生日…かもしれません」と挨拶してクドカンが受けてた．
サダヲちゃんは宇宙服をピーンと後ろに引っ張っていて、はいりさんに突っ込まれてた．

DVDでないかな〜．最低限放送はされるんじゃないかと思っているので（WOWOW収録してたからには放送するでしょう）、早くも映像で見たくてたまりません．あーあ、私のキレイが終わっちゃった．