ヴァイブレータ

ひょんなことから知り合った女と男が、男の運転するトラックで配送先までを往復し、最後は互いが知り合ったコンビニ前で別れていく.
最初は刺激的な映像にちょっとエキセントリックな狙いの映画なのかと思ったら、実は言葉を大事にした台詞劇だった.
大森南朋演じる男はよくまあこんな面倒な女に付き合ってるなって感心しながら見てたら、お互いの嘘を告白したあたりからまずいことにしみじみと身につまされてしてきちゃった.寺島しのぶ演じる女性の心の声で物語が紡がれていくので、どうしても女性の視点で見てしまう.
磁石のように惹かれあい、「なぜこの人はこれほど私のことがわかるんだろう」と思えるほど信頼できる男性と出会いながら、どうして最後にまた別れることができるんだろう.映画の起承転結として多分あれは綺麗なラストと言えるんだろう.でも私だったら絶対イヤ.最後にあんな風に別れるくらいなら出会わないほうがまし.でも30過ぎて全身で「愛して欲しい」と訴えているような彼女だから、この出来事を糧にすることができちゃったりするんだろうか.