姑獲鳥の夏

姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション [DVD]
なんともかんとも…
とにかくちっとも集中できない映画だった。小説はあんなに面白いのに、映像になるとはったり部分だけが強調されてやけに薄っぺらな作品になってた。
京極さんの世界というのはあの文体あってのものだということがはっきり実証された映画だった。「百聞は一見にしかず」といいますが、視覚より文字のほうが雄弁に物語ることがあるというのを目の当たりにしましたよ。
原作好きとして納得のいくキャスティングではなかったので公開当時に見に行かなかったのですが、映画を見た今となってはキャスティングなど些細な問題でしかありませんでした。
常に眩暈を起こしているような、暑さで空気が揺れているような、そんな夢うつつで歪んだ世界というのが全く再現されていなかったので、見える人には見え、見えない人には見えなかったという原作の結末がなんの説得力も持ち得なかった。
京極堂作品の中でも『姑獲鳥の夏』は特にミステリーというよりは幻想小説の趣向が強いのでむしろ映画向きではないのかも。『魍魎』あたりのほうが映像化にあってんじゃない?


ちなみに京極堂の実写イメージはよく言われるように芥川龍之介。あの顔しかピンと来ない。二次元ではその昔ゲゲゲの鬼太郎に登場した一刻堂(声は京極夏彦)のイメージがぴったりだった。
榎木津はsmileの頃のロビンちゃん。関口は…うーん、今回の永瀬さんだとかっこよすぎ。もっとしょぼいイメージだから、誰かなあ。木場は1.5倍ごつくした今井雅之とか?