薬師寺


時間が時間なだけに(2時半過ぎ)このまま帰るか長谷寺に行くか薬師寺に行くか迷ったあげく、結局薬師寺へ向かう。自分の記録を見ると5年ぶりの薬師寺です(そんなになるのか!)。薬師寺もまた何度でも行きたいお寺だ。法隆寺ICから郡山ICまで1区間だけ高速に乗ったけど果たして意味があったかどうか。3時半くらいには到着できたかなあ。


前回来た時は気づかなかったけど、実はこんなに大きな駐車場があったのね…。反対から来たからわからなかった。お盆前&時間が時間なだけに人も少なくて快適。


ちょうど金堂でお坊さんのお話が始まっていたので途中から聞く。法相宗をはじめ奈良のお寺の宗教の特徴や、仏像の特徴や、お寺復興協力依頼などのお話を聞く。法相宗華厳宗律宗といった宗派には檀家がいないことは知っていたけれど、そこの僧侶が亡くなった時には他派からお坊さんを招いて葬式をするとは知らなかった。今回お話をされていたお坊さんは実家が浄土真宗とのことなので、お葬式の際には実家のお寺からお坊さんを派遣してもらうのだとか。なるほど。


毎回写経がしたいと思いつつ時間がなくて出来ない。今回もやはり時間がなくて断念。昔西芳寺で写経した時にお手本をもらってきたんだけど、あれどこに片付けちゃったんだろう。あれさえあれば家でも写経ができるのに。写仏もしてみたいけど売っているのは子供でも出来そうな単純化された仏の絵ばかりでニーズと違う。法隆寺金堂壁画みたいな絵があればいいのに。


金堂はまだ人が多かったので先に講堂御朱印を頂く。金堂から講堂までの間にたくさんの蓮の鉢が並んでいてまだところどころ花が咲いていた。御朱印はというと薬師寺だけに薬師如来は当然として、聖観音もどうしても欲しくて2つ書いてもらった。


続いて東観堂へ。最も愛する仏様といってもいい聖観音に再会です。西日が当たって(照明もばっちり当たってたけど)光に輝いてました。長身細身のすらっとしたプロポーションにリズミカルな衣の線、若々しく凛々しいお顔、ほんとにまあなんて綺麗な仏像なんでしょう。木造や乾漆像の多い日本の仏像の中で、この時代は銅造仏が多く見られるのが嬉しい。艶光りする質感が好き。
私がうっとり聖観音の見惚れてる横で妹が増長天の獅子型靴に大笑いしてた。うん、確かに愛嬌たっぷりで可愛らしい。ちゃんと歯や鬣までついてるの。こんな靴はかれたらどんなに凄まれても怖くないわな。
白鳳時代のまっすぐ伸びた聖観音鎌倉時代の大袈裟な動きの四天王が意外にも調和した空間を生み出している。広い東観堂を贅沢に使っているのもいい。


東塔は「凍れる音楽」と評された薬師寺で唯一創建当時の姿を残す建物です。各階に裳階があるため三重塔とは思えない高さを誇る。


さて順番が逆になったけど最後に金堂。最も素晴らしい薬師三尊像が安置されてます。この三尊像は造詣が美しいだけでなく金銅仏ならではの迫力もあり、新しく再建された色鮮やかな金堂と共に天平の息吹を感じられる空間です。
日光月光菩薩の絶妙な腰のひねりと黒光りする体躯が清雅な色気に溢れていて、中央の薬師如来の重厚な存在感との対比がまた素晴らしい。
4時半過ぎまでのんびりとした時間を過ごした。唐招提寺の修復が終わった頃にまた来たい。といいつつその前に絶対来そうだな。