パイパー＠シアターコクーン

作・演出：野田秀樹
松たか子　宮沢りえ　橋爪功　大倉孝二　北村有起哉　小松和重　田中哲司　佐藤江梨子　コンドルズ　野田秀樹

NODA・MAPとしては2005年の『贋作・罪と罰』以来で楽しめた芝居だった．『オイル』や『ロープ』に見られた説教臭さが苦手なので、今回のようにちょいファンタジー風味の入ったもののほうが押し付けがましさを感じなくてすんだ．私が単純に捕らえすぎなのかもしれないけど、NODA・MAPで見る野田さんの芝居、特に新作関係はテーマがあからさまに分かり安過ぎてびっくりする．このくらい声高に唱えないと届かない時代だと野田さんが感じてるってことなのかしら．地球-火星-金星の皮肉な関係が面白かった．同じものを見て何を思い何をするか、思考停止に陥った者達とぐんぐん前に進んでいく者達、その結果としてどんな未来が待っているか、などなど今の時代とリアルにリンクしてる感が薄ら寒くもあり、だからこそ最後の花がベタだけど感動的だった．
宮沢りえ＆松たかこの姉妹は、それぞれの性格がピタッとはまったキャスティングだった．りえちゃんは蒸気の時よりずーっと良かった．ここのとこ儚い系の役ばっか見てたけどこの手の気の強い女性のほうが魅力的だと思う．大倉くんのとぼけた空気がシリアスな場面にもどっか浮かれた軽妙さを与えてた．
野田さん、癖なのか台詞がまさに押し付けがましい．強迫観念に駆られているような印象を受けてなんとなーく不快になる．そういう狙いなのかな．
小松さんと北村さんが最初ごっちゃになった．今まで思ったことなかったけど、声似てる？