シアターコクーン・オンレパートリー2010『シダの群れ』@シアターコクー

作・演出 岩松了
阿部サダヲ江口洋介小出恵介近藤公園江口のりこ黒川芽以、尾上寛之、蠔ジョンミョン、伊藤蘭風間杜夫

いわゆる極道なだけに家族というかファミリーというテーマを描いているのだけれども、その家族が作られたものであるということでどこか白々しい空気が漂っていた。義兄弟とか妾の子とかヤクザ世界にありがちな要素がこれでもかって詰め込んであり、言葉使いや行動がおしなべて暑苦しいのに全編とても褪めた冷たい空気が流れていた。全員が本音を隠して上辺で付き合ってる中、サダヲちゃんの森本だけがわからないことはわからないとストレートに物を言う。その不協和音が冷たい空気の中で心に痛く響いできた。
ベースは男のプライドの世界だと思っていたところ、最後の最後に突然「女」が大フューチャーされて心底驚いた。わからん、これはわからん。なになに?風間さんが江口洋介を嫌ってたのは女をあきらめなかったからだって?愛し続けたからだって?わお、それは意表を突かれ過ぎた。お家の一大事で女を出しますか?男にとって女ってそこまで大事?