御名残三月大歌舞伎

【 第一部 】

菅原伝授手習鑑 加茂堤

  桜丸:梅玉  斎世親王:友右衛門  苅屋姫:孝太郎  三善清行:秀調  八重:時蔵

楼門五三桐

  石川五右衛門吉右衛門  右忠太:歌六  左忠太:歌昇  真柴久吉:菊五郎

女暫

  巴御前玉三郎  蒲冠者範頼:我當  轟坊震斎:松緑  女鯰若菜:菊之助  猪俣平六:團蔵  武蔵九郎:権十郎  江田源三:彌十郎  東条八郎:市蔵  根井行親:寿猿  局唐糸:家橘  茶後見:隼人  木曽駒若丸:萬太郎  紅梅姫:梅枝  木曽太郎:松江  手塚太郎:進之介  清水冠者義高:錦之助  成田五郎:左團次  舞台番辰次:吉右衛門


【 第ニ部 】

菅原伝授手習鑑 筆法伝授

  菅丞相:仁左衛門  園生の前:魁春  戸浪:芝雀  梅王丸:歌昇  荒島主税:松江  腰元勝野:新悟  局水無瀬:吉之丞  三善清行:秀調  左中弁希世:東蔵  武部源蔵:梅玉

弁天娘女男白浪

  弁天小僧菊之助菊五郎  南郷力丸:吉右衛門  忠信利平:左團次  伜宗之助:菊之助  鳶頭清次:團蔵  浜松屋幸兵衛:東蔵  赤星十三郎:梅玉  日本駄右衛門:幸四郎

一部、二部と連続して観劇。歌舞伎座ラストスパートに入ったせいかちょっとだけ観客層がいつもと違い、お初な人とか若いカップルとか子供連れを多く見かけた。
一部は加茂堤30分、楼門五三桐15分と文字通り顔見せ程度の演目が2つ続くのでがっつり見た気分になれるのは女暫のみ。楼門五三桐での吉右衛門さんと菊五郎さんが一と三をつなぐアイキャッチかと思った。時蔵さんが加茂堤だけというのもどうも解せない。今月来月は幹部クラス勢ぞろいでそれぞれの出番が少ないという贅沢な悩みがありますね。
女暫は前回の玉さんに引き続き2度目も玉さんで。キリっとしてても大変可愛らしい。暫は花道でのやり取りが長いので3階席だと場所によっては声だけになる危険性があるものの、幸運なことに今回顔はばっちり見える席だったのでツンってそむける表情や恥ずかしがる表情など堪能させて頂きました。最後の吉右衛門さんとのお稽古場面はご馳走ご馳走。
二部の筆法伝授。歌舞伎を見始めたころ、人気投票の上位に必ず寺子屋が食い込んできてるのが理解できなかったというのに今じゃ寺子屋で泣けるようになりました。そんな私でもまだ菅原伝授の菅丞相メインの幕の見所がまだよくわからない。もう少し枯れないとダメか。仁左さんの菅丞相は威厳があって知的で美しくて本当に素敵なんだけれども、難しい難しいと言われる菅丞相のしどころがどうもよくわからん。筆法伝授も源蔵夫妻や松梅桜の三兄弟の話はあまりひねらず単純な筋書きなのでわかりやすく泣きやすい。道明寺のある三部をやめたのは失敗だったか.とはいえ以前菅原伝授手習鑑通しで見てこりゃダメだと思ったので、あと5年10年後に通しで見るのがいいかも.
弁天娘は菊五郎さんに吉右衛門という大変豪華な座組でみごたえたっぷり.いろんな人の弁天小僧を居たけれど、やっぱり菊五郎さんが一番好き.ばれた後の開き直りの潔さと軽さがかっこいいの.決め台詞はまさに待ってました!って掛け声がぴったり.駄右衛門の幸四郎さん、前から台詞の聞き取りが苦手な役者ですが今回も相変わらず何を言ってるのかわからず.これ皆さんちゃんと聞き取れてるの?私が単に苦手なだけなの?来月の寺子屋が少し心配になった.
一部も二部もカウントダウン公演に相応しいパーッと華やかな幕切れです.ハレな気分を味わえて気分よく歌舞伎座を後に出来ました.二部終了後に舞台写真が出てたので仁左さん2枚玉さん2枚購入.